第1話 始まり ページ3
車の甲高いブレーキのおと
眩しいライトの光
鈍い音をたてる自分の体
必死で突き飛ばした、
大事な人の、顔に浮かんでいく驚愕の感情
それがたった数秒で死んだ私が認識したものだった
「死ん…じゃったな…」
あまりにあっけない人生だった
享年13歳
これからキャッキャうふふな青春を積んでいく年頃での交通事故
世間に話せば涙ぐんで慰められる案件だ
だがそうしてもらえるとしても後にしてほしい
なぜかって?
それはな…
死んだ感覚がない
勘違いしないでほしいが決して死んだことを受け入れられない訳じゃない
状況が状況だったし「あ、死んだな」ってちゃんとわかった
だからこそ死んだ後は自動的に天国か地獄にいくと思ってたんだよ?
なのになぜか思考がある、喋れるときた
いやなぜ???
死後の世界は最初で最後だし何をするべきか何もわからない
なので慰めるとしたら先にこの状況を打開してからにしてほしい
あ嘘。あともう一個
多分死んだから目をつぶっている状態だと思うのだが…
のわりにはやけに視界が白い
白いというよりは「輝いている」が近いかな
?『君、死んだばかりでよくそんなに思考が安定しているね』
…店員さーん!「輝いている物体が喋ったこと」も追加で!
?『ククッ…えーご注文をお受け取りしました、店員のカミと申します。お話をお伺いしたいのでお茶でもどうですか?』
「いただきます」
天沢心陽
享年13歳の一般人
死んだ後にお茶に誘われました
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作者名:こはる | 作成日時:2020年12月16日 0時