第２部 堅い決意と代償の涙 ページ9
沈黙を破ったのは父さんだった。
勝也「お前のその性格は母さんに似たのだな。」
父さんは私を見た。
勝也「決めたことは絶対に曲げない。母さんもそうだった。」
父さんは私を通り越し、どこか遠くの景色を見ているような目をした。
勝也「夕香が生まれるとき、母さんは既に病を患っていた。俺は止めるように言った。だが、母さんは絶対に産むと言って聞かなかった。その時、母さんはお前と同じ事を言っていたよ。母さんも早くに自分の母親を亡くしたそうだからな」
父さんはそこで一旦言葉を切った。
私は驚いた。
そんな話は今まで聞いたことがなかった。
勝也「お前が言うように俺だって命の大切さは分かっている。だがな、出産は危険なことだ。もし、万が一腹の子が無事でもお前が死ぬ場合だってある。特にお前はまだ若い。だが若すぎたって死に至ることがあるんだぞ」
父さんの手が震えている。
嗚呼
この人は本気で私を大切に思ってくれている。
A「もしそうなったときは、この世での私の役目が終わったと言うことです。」
私はあの夢の母さんの言葉を思い出しながら言った。
A「私が死にかけたとき、母さんが言っていました。でも、この子を育てずに役目が終わっただなんて言えない。だからきっと私は大丈夫です。きっと母さんが守ってくれます」
私はそう言って笑った。
勝也「だが・・・」
父さんが反論しようとしたその時だった。
修也「父さん」
その声と共に扉が開いて兄さんが部屋に入ってきた。
兄さんはそのまま父さんの前まで歩いていくと突然頭を下げた。
修也「お願いします。Aの思うとおりにさせてやって下さい」
父さんと私は目を見開いた。
勝也「修也・・・」
修也「俺が、責任持ってAのフォローをします。だから中絶させるなんて言わないでやって下さい。それにきっと、天国の母さんだってそう思っています。どうかお願いします」
兄さんがもう一度頭を下げた。
A「父さん、お願いします。この子を産ませて下さい」
私も頭を下げた。
しばらく父さんは黙っていた。
しかし
勝也「分かった。俺が産婦人科を紹介してやるから次回からそこに行きなさい。」
父さんはついにおれた。
修也・A「「ありがとうございます」」
私の瞳から嬉し涙が零れた。
そしてそれから１ヶ月後、私は有人先輩に別れを告げた。
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お砂糖(プロフ) - 続編楽しみです!!主人公に頑張ってほしいです＞＜ (2012年3月10日 22時) (
レス) id: 0e8350f1dc (このIDを非表示/違反報告)
黒川リク(プロフ) - 続編すっごく楽しみです！！応援してます (2012年3月9日 7時) (レス) id: b5c87b3012 (このIDを非表示/違反報告)
美闇(プロフ) - さすが！はるみん！！頑張ってね！＾―＾ノシ (2012年3月8日 23時) (レス) id: b6123c239f (このIDを非表示/違反報告)
風丸 マナミ(プロフ) - 主人公……。精神的な苦痛に…(泣)主人公の支えになりたい(ノ△Ｔ)春奈と夏美と豪炎寺が居て良かったです///鬼道…何やってるのよ…。更新頑張って下さい(o・v・o)ﾉｼ (2012年3月8日 0時) (携帯から) (レス) id: 9216772dfd (このIDを非表示/違反報告)
cocoa(プロフ) - 主人公ちゃん頑張っって！更新応援してます＾＾ (2012年3月7日 0時) (レス) id: 75c6118bbf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるみん | 作成日時：2011年7月21日 21時
