第２部 堅い決意と代償の涙 ページ8
その日の夜・・・
勝也「ただいま」
父さんが帰ってきた。
みんなで夕食を済ませると、私は父さんの部屋に行った。
A「父さん、今いいですか？」
勝也「ああ、構わない」
私は部屋の扉を開けた。
勝也「其処に座れ」
父さんは私にそばにあった椅子に座わるよう言った。
私は言われたとおり、其処に座った。
勝也「どうしたんだ？お前がわざわざ話しに来るなんて」
父さんは仕事の書類と思われる物を整理していた。
言わなくてはいけないことだ・・・
いつか必ず・・・
私は大きく息を吸い込んだ。
A「私のお腹に子供がいます」
その瞬間、全ての時間が止まった。
父さんは整理していた書類から手を離した。
勝也「お前、自分が何をしたか分かっているのか？」
声のトーンがさっきより低くなった。
私はギュッと膝においた手を握りしめた。
A「はい」
私は出来るだけ震えないように返事をした。
勝也「それなら、俺の言いたいことは分かるな？」
その声のトーンのまま父さんは言った。
分かっている・・・
でも・・・
A「はい。でも、中絶はしません。」
父さんの眉が動いた。
どんなことを言われようと、私の意志は変わらない。
勝也「お前は、子供を育てることがどれほど大変なことなのか分かっているのか？」
父さんが怒鳴った。
怖い・・・
でも、引き下がるわけにはいかない。
A「確かに大変かもしれません。それでも育てたいんです。この子は私の子供です。父さんがそう言う理由も分かっています。けれど、この子は生きています。今私のお腹の中で・・・それに・・・」
私はそこで一度言葉を切った。
涙が零れ出す。
A「私は人の命がどれほど大切かを知っています。」
私は父さんの顔を見た。
A「母さんと尚樹、二人の命は私の目の前でなくなりました。」
私は下を向いた。
A「二人の命が失われた日を、私は忘れたことはありません。この子の命だって私にとっては大切な命です。私たちの都合で失われてはいけない。」
溢れた涙は私の洋服を、握りしめた手をぬらす。
私は顔を上げた。
A「例え、父さんでもこの子の命を奪う事は絶対にさせません。それに、父さんだって命の大切さ、知ってますよね。医者なのですから。」
部屋には沈黙が流れた。
ラッキーアイテム
革ベルト
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お砂糖(プロフ) - 続編楽しみです!!主人公に頑張ってほしいです＞＜ (2012年3月10日 22時) (
レス) id: 0e8350f1dc (このIDを非表示/違反報告)
黒川リク(プロフ) - 続編すっごく楽しみです！！応援してます (2012年3月9日 7時) (レス) id: b5c87b3012 (このIDを非表示/違反報告)
美闇(プロフ) - さすが！はるみん！！頑張ってね！＾―＾ノシ (2012年3月8日 23時) (レス) id: b6123c239f (このIDを非表示/違反報告)
風丸 マナミ(プロフ) - 主人公……。精神的な苦痛に…(泣)主人公の支えになりたい(ノ△Ｔ)春奈と夏美と豪炎寺が居て良かったです///鬼道…何やってるのよ…。更新頑張って下さい(o・v・o)ﾉｼ (2012年3月8日 0時) (携帯から) (レス) id: 9216772dfd (このIDを非表示/違反報告)
cocoa(プロフ) - 主人公ちゃん頑張っって！更新応援してます＾＾ (2012年3月7日 0時) (レス) id: 75c6118bbf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるみん | 作成日時：2011年7月21日 21時
