第６部 祝福の誕生 ページ37
夏未Side
ﾎﾟｹｯﾄに入れた携帯が震えた。
既に最後に電話をかけてから10分は過ぎたと思う。
私は携帯をﾎﾟｹｯﾄから取り出した。
だが、午後の練習試合は既に始まっている為この場で電話に出るわけにはいかない。
夏未「ちょっと出てくるわね」
私はそう言ってﾍﾞﾝﾁを出た。
携帯に映るのは『音無 春奈』の文字。
つい10数分前に私が電話をかけていた人だ。
私は通話ﾎﾞﾀﾝを押した。
夏未「もしもし?何処へ行っているの?心配したのよっ!」
私は軽く怒鳴ってしまった。
Aさんの事件以来、私たち女子ﾏﾈｰｼﾞｬｰ陣はかなり心配性になったと思う。
現に、今彼女からの電話が来るまでかなり不安だった。
春奈『すみません、夏未さん。あの・・・』
彼女の声は何時もと違った。
いつもの明るい声ではなく、微かに震えも混じる不安げな声だ
夏未「どうしたの?何かあったの?」
私が強めにそう問うと彼女は言った。
春奈『今、其処に誰もいませんか?』
私は「ええそうよ、もう試合が始まっているもの」と答えた。
すると彼女は意を決したように話し出した。
春奈『Aの、陣痛が始まりました。』
その場の時が一瞬止まった。
私は数回息をして答えた。
夏未「そう。豪炎寺くんにはﾊｰﾌﾀｲﾑの時に私から伝えるわ。だから豪炎寺くんがこっちを出る前に貴女は戻っていらっしゃい。着替え、渡さなきゃならないんでしょう」
私がそう言うと彼女は黙ってしまった。
夏未「どうかしたの?何か問題でもあるかしら?」
私が聞くと彼女は迷ったような声で言った。
春奈『Aが・・・Aが試合が終わるまでは陣痛が始まったことを言うなって言ったんです。迷惑はかけたくない・・・と。それで私も猛練習試合の会場に戻れって言われて・・・でも、Aとても寂しそうで、辛そうで、苦しそうなんです。だから、どうしたらいいかなって・・・』
彼女は其処まで早口に言うと、まるで言葉が出なくなったかのように黙った。
試合が終わるまで呼ぶな、か
私は胸の中で今音無さんが言ったことを呟いた。
いかにもAさんらしい。
けれど、出産の時には気が狂ってしまう妊婦も居ると聞く。
そしてそれにより母子共に死んでしまったというｹｰｽも・・・
彼女ならそんなことはないと思うが
自分のことを心配性になったわね、と心の中で笑って言った。
ラッキーアイテム
革ベルト
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お砂糖(プロフ) - 続編楽しみです!!主人公に頑張ってほしいです＞＜ (2012年3月10日 22時) (
レス) id: 0e8350f1dc (このIDを非表示/違反報告)
黒川リク(プロフ) - 続編すっごく楽しみです！！応援してます (2012年3月9日 7時) (レス) id: b5c87b3012 (このIDを非表示/違反報告)
美闇(プロフ) - さすが！はるみん！！頑張ってね！＾―＾ノシ (2012年3月8日 23時) (レス) id: b6123c239f (このIDを非表示/違反報告)
風丸 マナミ(プロフ) - 主人公……。精神的な苦痛に…(泣)主人公の支えになりたい(ノ△Ｔ)春奈と夏美と豪炎寺が居て良かったです///鬼道…何やってるのよ…。更新頑張って下さい(o・v・o)ﾉｼ (2012年3月8日 0時) (携帯から) (レス) id: 9216772dfd (このIDを非表示/違反報告)
cocoa(プロフ) - 主人公ちゃん頑張っって！更新応援してます＾＾ (2012年3月7日 0時) (レス) id: 75c6118bbf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるみん | 作成日時：2011年7月21日 21時
