第５部 変わっていく想い、変わらない想い（ﾓﾉ） ページ28
修也side
俺はそれから軽く勉強をした。
勉強も1段落して、水でも飲もうと俺は台所に向かおうと部屋の扉を開けた。
そのついでに夕香の部屋を覗いてみた。
夕香は規則正しい寝息を立てて寝ていた。
俺はふと顔がほころぶのを感じた。
俺やAもｻｯｶｰを始めたての頃はそうだった。
毎日疲れ切って風呂に入り、母さんの作った飯を食って寝ていた。
あの頃はまだ小さかったから2人で同じ布団に寝ていたものだ。
寝るときにAと繋いだ手。
頭を撫でてくれる母さんの優しい手。
自ら手放したわけではないけれども、もう戻っては来ない。
だがあの握った自分より少し小さく、幼い手を
頭を撫でてくれる優しい手を
俺は1度たりとも忘れたことはない。
俺はそんなことを思い出しながら、夕香の部屋の扉をそっと閉じた。
俺は台所に行き冷やした麦茶をｺｯﾌﾟに注いで飲み干した。
もう1度ついで、ﾃﾚﾋﾞでも見ながら飲もうと思い俺は麦茶を入れたｺｯﾌﾟをてにしたまま、ﾘﾋﾞﾝｸﾞへと向かった。
俺はその場で止まった。
其処には眠るAの姿があった。
少し目立ち始めた腹にそっと手を乗せ、横向きになって寝ていた。
その寝顔にはまだ幼さが少しだけ見え隠れする。
俺はそのAを凄く綺麗だと思った。
だが、彼女の目尻には涙があった。
ついさっきまで起きていたのか、それとも夢で泣いたのかは分からない。
A「ゆ・と・・せんぱ・・い・・」
寝言を言っているとき人は夢を見ないという。
だが眠っている彼女の頬には幾筋か涙が伝っていた。
俺は呼吸が苦しくなるのを感じた。
俺はｺｯﾌﾟをそっとﾘﾋﾞﾝｸﾞの机の上に置き、俺はAの部屋のﾄﾞｱを開けると、Aをそっと抱き上げた。
その身体を最後に抱き上げたのは何時だったか
あまりしっかりとは記憶していなかったが少し重くなったことを感じた。
腹の子が元気に成長している証だ。
俺はAをﾍﾞｯﾄﾞの上に寝かせた。
彼女はきっと俺にとっての白雪姫だ。
だが俺の口づけではきっと目を覚まさない。
きっと俺は小人だから。
白雪姫に恋をしてしまった哀れな小人。
だがその小人は止まることが出来ない。
白雪姫を想う気持ちは王子にだって負けないと俺は思っているから。
俺はその桜色の唇に自分のそれを重ねた。
眠ったままの姫と、辛い恋心を抱える小人と、姫を憎む王子。
運命は何処へ行く・・・
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お砂糖(プロフ) - 続編楽しみです!!主人公に頑張ってほしいです＞＜ (2012年3月10日 22時) (
レス) id: 0e8350f1dc (このIDを非表示/違反報告)
黒川リク(プロフ) - 続編すっごく楽しみです！！応援してます (2012年3月9日 7時) (レス) id: b5c87b3012 (このIDを非表示/違反報告)
美闇(プロフ) - さすが！はるみん！！頑張ってね！＾―＾ノシ (2012年3月8日 23時) (レス) id: b6123c239f (このIDを非表示/違反報告)
風丸 マナミ(プロフ) - 主人公……。精神的な苦痛に…(泣)主人公の支えになりたい(ノ△Ｔ)春奈と夏美と豪炎寺が居て良かったです///鬼道…何やってるのよ…。更新頑張って下さい(o・v・o)ﾉｼ (2012年3月8日 0時) (携帯から) (レス) id: 9216772dfd (このIDを非表示/違反報告)
cocoa(プロフ) - 主人公ちゃん頑張っって！更新応援してます＾＾ (2012年3月7日 0時) (レス) id: 75c6118bbf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるみん | 作成日時：2011年7月21日 21時
