第103話 ページ7
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それにまあ、悩むのも青春だ。
それに彼は、自覚していないだけで相手はちゃんといるのだから。
なんだか楸瑛は兄の気分になった。
くしゃくしゃと劉輝の頭をなでる。
楸「女性の趣味の良さは、大いに褒めてあげます。頑張ってくださいね」
楸「そのお顔を最大限に有効活用すれば、脈ありです」
劉「…………?」
楸「さて、わざと秀麗殿を怒らせたんですから、それなりの対価はきっちり取り立てないと」
劉輝の顔つきが鋭くなった。
劉「……今日渡した、毒の成分は?」
楸「陶老師と絳攸、それとA殿から報告がきました。だんだん毒性が強くなってますね」
天気の話でもするように呑気な口調である。
楸「刺繍針から始まって、呪いの藁人形その他モロモロですからねぇ」
楸「なんかなりふり構わずというか、ここまできたら、こっち側に気づかれているのをいい加減に気づけ、と言いたいですね」
楸「主上のお手並みもお見事ですが」
劉「……昔から、そういうのは日常茶飯事だったからな」
楸瑛は微笑した。
そういうものは、普通公子は自分で見つけないものだ。
けれど彼は、そうせざるを得なかった。
そして死なずに生き延びた。
それこそが高い資質の証。
楸「今回渡してくださったものですが」
内心の賞賛を、楸瑛は決して口にしない。
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咲くや - 面白くて続きが気になります 更新頑張ってください。 (2021年4月30日 0時) (レス) id: 2369d330ed (このIDを非表示/違反報告)
フローラ(プロフ) - ラフェルさん、ありがとうございます!!更新できなくてすみません。時間が無かったり、学生として忙しかったりするので、なかなか出来ていないのが現状です。申し訳ありません!出来るだけ頑張ります。 (2020年6月22日 14時) (レス) id: 81545e79a5 (このIDを非表示/違反報告)
フローラ(プロフ) - すみません、分かりにくかったでしょうか?オチは決まっているので、お話が進むのをもう少し待っていただけると嬉しいです (2019年6月1日 8時) (レス) id: 36855b5a89 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - オチは決まってるんでしょうか?なんだか先が見えなくてモヤモヤします。 (2019年6月1日 7時) (レス) id: e7610b422d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フローラ | 作成日時:2019年4月20日 16時