検索窓
今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:38,044 hit

第102話 ページ6

〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜





劉「……余に子供ができたら、後で厄介なことになるかもしれないと、思ったんだ」





邵可に、もう二度と内乱は起こさないでほしいと言われたから、と続けた劉輝に、楸瑛は目を見開いた。



内乱によって他の公子たちはことごとく倒れたため、王宮に残る直系王族は今のところこの王一人だ。



子ができて厄介になるどころか、とっととつくってくれというのが朝臣一同の本音だろう。



それなのに「厄介なことになるかもしれない」と「内乱」。





____答えはすぐにでる。





彼は、このまま王でいるつもりはなかったのだ。



玉座には、いずれ別の者が即くと、そう思っていたのだ。



その時のために、その誰かがなんの支障もなく王位に即けるように、彼は細心の注意を払っていた。



子をつくる危険を避け、男色家だと皆に思わせた。



万が一にも権威ある家の娘を後宮に迎えたら、例え子が無くても面倒の起こる可能性は充分にあるから、防波堤のつもりもあったかもしれない。



実際、秀麗が霄太師によって無理矢理送られてくるまで、どんな権力者も後宮に血縁の娘を送り込めなかった。



もともと、さほど注意を払われていなかった末の公子だ。



即位するまで誰も彼の性癖など気にしなかった。



事実、重臣たちの誰もが王位継承者となってからの夜の生活で、彼の嗜好を判断していた。



男色家という強い印象のおかげで、王にもう一つの面があるなどと思いもしなかったのだ。





____彼が、女性も抱ける、などとは。





……なかなか、やる





今のところ、まさに王の思惑通りだ。



そして、彼がひたすら待っている、その誰かとは____。



楸瑛はひそかに息をついた。



それでもこれは彼が関わるべきことではなかった。





「では主上、恋をしたことは?」





劉輝は戸惑ったように、でも顔を赤くしながら楸瑛を見た。



なんだそれは?という顔が全てを物語っていた。



恋をしているのにも関わらず、それを自覚する前に体の方ばかりが先に教えられたのだ。



ゆえに、彼はその過程を知らない。



知る必要もなかったのだろう。



望めばすぐに身を投げ出す者ばかりの中では。



王族の寵愛を受けて、喜ばない侍官も女官もいないのだから。





不憫といえば、不憫だな





しかしこればっかりは口で教えてどうなるものでもない。





〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜

第103話→←第101話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (54 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
160人がお気に入り
設定タグ:彩雲国物語 , 原作沿い , アニメ   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

咲くや - 面白くて続きが気になります 更新頑張ってください。 (2021年4月30日 0時) (レス) id: 2369d330ed (このIDを非表示/違反報告)
フローラ(プロフ) - ラフェルさん、ありがとうございます!!更新できなくてすみません。時間が無かったり、学生として忙しかったりするので、なかなか出来ていないのが現状です。申し訳ありません!出来るだけ頑張ります。 (2020年6月22日 14時) (レス) id: 81545e79a5 (このIDを非表示/違反報告)
フローラ(プロフ) - すみません、分かりにくかったでしょうか?オチは決まっているので、お話が進むのをもう少し待っていただけると嬉しいです (2019年6月1日 8時) (レス) id: 36855b5a89 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - オチは決まってるんでしょうか?なんだか先が見えなくてモヤモヤします。 (2019年6月1日 7時) (レス) id: e7610b422d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:フローラ | 作成日時:2019年4月20日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。