第101話 ページ5
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劉「……あれほど怒るとは思わなかった」
劉輝は庭院の一角で鬱々と落ち込んでいた。
しかも。
劉「仮の妾なんて聞いてない……」
怒りまくった秀麗は霄太師との『契約事項』を全てぶちまけたのだ。
つまり自分は教育係として後宮に入った形だけの貴妃であって、期間満了後はさっさと撤退する約束だったのだと。
その上で「もう私はお役御免みたいだから帰りますっ」とこうきた。
そんな事実はまるで知らなかった劉輝は二重に衝撃を受けた。
楸「まあ、最後の最後に言われるよりはいいじゃありませんか」
劉輝の姿を見つけた楸瑛は、すとんと隣に座った。
楸「今ならまだ手の打ちようもあるでしょう」
沈み込んでいる劉輝の姿はとても一国の主とは思えない。
しかしこれも身から出た錆だ。
楸「なぜ、今まで昏君のふりをしてたんです」
劉「……その方が、秀麗がたくさん構ってくれると思ったのだ。たまに…Aのことも相談していたし……」
劉「一緒に勉強してくれたし……」
……犬か、と思ったが、楸瑛はそれを口にも顔にも出さなかった。
楸「主上、失礼ですが、実は女性を抱いたこと、あるでしょう」
楸「____それもかなり」
劉「……………………。…………な、なんで、わかった?」
楸「そりゃあ、秀麗殿への接し方を見れば」
楸瑛は面白そうに王を見た。
楸「A殿とは、まだなんですか?」
劉「……ああ」
楸「どうしてです?彼女にこそ、触れてみたいとは思わないのですか?」
劉「//////……それは、思ったことは、何度も」
楸「それならどうして」
劉「……Aは、大事にしたいんだ」
そう言う劉輝の瞳は、愛おしさに満ちていて。
____彼女のことが、本当に、本当に大切だから。
楸「なぜ、黙ってたんです?」
劉「……う、嘘は、ついていない」
男しか抱かないなどと、胸を張って公言したことなど一度もない。
それに、男だけでなく女も抱けるのだと、言ってしまったら________
多分、秀麗は脱兎のごとく逃げてってしまう気がして。
それでも久しく女を抱いてなかったのは事実だ。
劉「……ができるから」
楸「は?」
劉「女とやったら、子供ができるだろう」
楸「はあ、まあ、そうですね」
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咲くや - 面白くて続きが気になります 更新頑張ってください。 (2021年4月30日 0時) (レス) id: 2369d330ed (このIDを非表示/違反報告)
フローラ(プロフ) - ラフェルさん、ありがとうございます!!更新できなくてすみません。時間が無かったり、学生として忙しかったりするので、なかなか出来ていないのが現状です。申し訳ありません!出来るだけ頑張ります。 (2020年6月22日 14時) (レス) id: 81545e79a5 (このIDを非表示/違反報告)
フローラ(プロフ) - すみません、分かりにくかったでしょうか?オチは決まっているので、お話が進むのをもう少し待っていただけると嬉しいです (2019年6月1日 8時) (レス) id: 36855b5a89 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - オチは決まってるんでしょうか?なんだか先が見えなくてモヤモヤします。 (2019年6月1日 7時) (レス) id: e7610b422d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フローラ | 作成日時:2019年4月20日 16時