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第111話 ページ16

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絳「これを渡して、今行方不明ということは、静蘭は一人で動いているということか」



楸「ああ。何か手がかりをつかんだのかもしれないね」





頷いた楸瑛の腕を掴んで、劉輝が顔色を変えた。





劉「そこまでわかっていて、なぜ行かせた。もし、せ…静蘭に万一のことがあったら……!」



楸「落ち着いて。行き先が彼のところなら、たぶん危害の及ぶ心配はない。なぜなら____」





そのとき、ひゅっと風を切って、開かれた窓から飛び込んでくるものがあった。



反射的に劉輝をかばい、それからすぐに窓辺に駆け寄った楸瑛は、身を乗り出して外を眺め、小さく舌打ちすると室内を振り返った。





楸「逃げ足がはやい。……絳攸」





鋭い音と共に床に刺さったそれは、黒い風切り羽のついた矢だった。



頷いた絳攸は、通常よりぐっと細く短い胴の部分に結ばれた紙片を素早くほどいた。



劉輝がこの手から紙片を奪い取って中をあらためる。



その瞳に強い光がともる。





楸「主上」



劉「楸瑛、絳攸。先ほどの指示を。こちらは、私が行く」



楸「まさかお一人で、などと言わないでしょうね」





劉輝はぴたり、と楸瑛の喉元に剣先を突きつけた。



絳攸にはいつ抜いたのかさえ分からないほどの早業だった。



楸瑛は身じろぎもせず、興味深そうに剣先を見つめた。



抜いた時と同じ滑らかさで、劉輝は静かに剣をおさめた。





劉「私一人で行く。他の者など足手まといだ」



楸「……そうみたいですね」





楸瑛はにや、と笑った。





楸「あとで、手合わせを望んでもよろしいですか?」



劉「全部、終わったらな」





劉輝はこのときようやく、少しだけ笑った。





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咲くや - 面白くて続きが気になります 更新頑張ってください。 (2021年4月30日 0時) (レス) id: 2369d330ed (このIDを非表示/違反報告)
フローラ(プロフ) - ラフェルさん、ありがとうございます!!更新できなくてすみません。時間が無かったり、学生として忙しかったりするので、なかなか出来ていないのが現状です。申し訳ありません!出来るだけ頑張ります。 (2020年6月22日 14時) (レス) id: 81545e79a5 (このIDを非表示/違反報告)
フローラ(プロフ) - すみません、分かりにくかったでしょうか?オチは決まっているので、お話が進むのをもう少し待っていただけると嬉しいです (2019年6月1日 8時) (レス) id: 36855b5a89 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - オチは決まってるんでしょうか?なんだか先が見えなくてモヤモヤします。 (2019年6月1日 7時) (レス) id: e7610b422d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:フローラ | 作成日時:2019年4月20日 16時

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