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第97話 ページ1

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秀「絶対自分を粗末にしてるもん。私たちだって静蘭が大切なのに」



静「それは違いますよ」





静蘭はくすくすと笑った。





静「旦那様とお嬢様が大切、一番に優先したいと思ってるだけです」



静「私がそうしたいと思ってるんですから、全然貧乏くじなんかじゃありませんよ」



静「それが嬉しいんです」



秀「貧乏くじ体質……」



静「それも違います。それ以外のことだと、私は結構自分勝手ですよ?」





にっこりと笑う。



それはいつもの静蘭の微笑で、秀麗は少しだけホッとした。





静「ところで、『一番』ということは、他にも何か気にかかってることでも?」



秀「あー、うん。まあ、気にかかるというか、ヘンというか」





そして秀麗は奇妙な紛失物について語った。




.




.





楸「『絳攸•今日の閑話休題』は黒狼のことか」





いつものように午後の講義を少し離れたところで見ていた楸瑛は、振り返って静蘭を見た。





楸「先王陛下の懐刀と言われた幻の暗殺集団風の狼を束ねていたとされる男____かどうかは分からないけど」



楸「今や伝説と化しつつある凄腕の凶手黒狼の話は私も聞きたいな」





行ってきていいかい?と笑顔で訊いた楸瑛に、静蘭も笑顔でいいえ、と返した。





楸「……『いいえ』?」



静「お話がありますので」





楸瑛の眉が少しく上がった。





____楸瑛は宋太傅との仕合を見たあとも何も言わなかったし、静蘭も何も言わなかった。



それが破られるのだろうか?





楸瑛の目が面白そうに光る。





楸「……ふぅん?なんだい?」



静「その前に一つお訊きしたいのですが、藍将軍は、主上から何かを賜りましたか?」



楸「ああ、紫の花菖蒲を、絳攸ともどもね」



静「そうですか」





静蘭は口の端で笑った。



そして袷から書状のようなものを取り出した。





静「それでは、藍将軍に、これを」





楸瑛は何も言わずに受け取ると、書状を広げてざっと一瞥した。



ややあって、楸瑛は視線だけで静蘭を見た。



笑みを浮かべてはいるが、その瞳は笑っていない。





楸「……私からも一つ訊こう」





楸瑛は書状を指ではじいた。





楸「君は紫の花菖蒲をもらったかい?」





いつもと同じようで、違う笑みを浮かべながら、静蘭はいいえ、と首を横に振った。





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第98話→



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咲くや - 面白くて続きが気になります 更新頑張ってください。 (2021年4月30日 0時) (レス) id: 2369d330ed (このIDを非表示/違反報告)
フローラ(プロフ) - ラフェルさん、ありがとうございます!!更新できなくてすみません。時間が無かったり、学生として忙しかったりするので、なかなか出来ていないのが現状です。申し訳ありません!出来るだけ頑張ります。 (2020年6月22日 14時) (レス) id: 81545e79a5 (このIDを非表示/違反報告)
フローラ(プロフ) - すみません、分かりにくかったでしょうか?オチは決まっているので、お話が進むのをもう少し待っていただけると嬉しいです (2019年6月1日 8時) (レス) id: 36855b5a89 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - オチは決まってるんでしょうか?なんだか先が見えなくてモヤモヤします。 (2019年6月1日 7時) (レス) id: e7610b422d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:フローラ | 作成日時:2019年4月20日 16時

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