第4話 ページ7
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秀「____ところで静蘭、どうして今の時間にここにいるの?今日は朝廷に出仕する日でしょ?」
静「ええ……そうなんですが、邸にいらしてるお客様に同行を頼まれまして……」
秀「その人の私用で帰らせてもらえたの?____何、お客ってそんなに身分の高い人なの?」
静「ええまあ……」
妙な歯切れの悪さに、秀麗はますます訝る。
静蘭は優しげな容貌に似合わず、かなりの剣の腕の持ち主で、そのために秀麗の家____紅家の後ろ盾が無きに等しいにもかかわらず、異例の早さで出世し、今では武官としてちょっとした地位にいる。
もちろん朝廷全体から見れば物の数にも入らないが、それでも静蘭の上官に影響力をもつ人物となれば、秀麗にとっては十分大物。
秀「誰が何の用で私に会いにくるか知らないけど、事前にひと言あってしかるべきじゃない?」
秀「急に呼び出すなんて……おかげで予定が狂ったわ。狂いまくったわ」
ぐっと拳を握りこむと、秀麗は勢いよく静蘭をふり仰いだ。その胸にがしっとしがみつく。
秀「どうしよ静蘭ぁぁんっ!今月もまた赤字になっちゃう」
秀「この後すっごいワリのいい仕事があったのに全部パァよ、パァ!」
秀「今月は絶対お米が買えると思ってたのにぃ。また麦なんて……麦なんて……麦なんてぇぇえっ!!」
秀「あの麦の真ん中に走る一の線!米との差を見せつけられるようなあの一の線に今月も『俺は米じゃないぜ』って嘲笑われるんだわ」
秀「あーもう信じらんない信じらんない!その客一生恨んでやる〜ぅ」
静「お、お嬢様、誰もそんなこと言いませんから。麦はしゃべりません」
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フローラ(プロフ) - かなとさん、ご指摘ありがどうございます! (2019年2月27日 18時) (レス) id: 36855b5a89 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい (2019年2月27日 18時) (レス) id: 32a3956d03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フローラ | 作成日時:2019年2月27日 17時