第23話 ページ26
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絳「だいたいなんて貴様がここにいるっ!目障りだ。とっととどっかへ失せろ!」
楸「おお、親友になんという言い草」
誰が親友だッ!という絳攸の怒鳴り声も、楸瑛はどこ吹く風である。
楸「だってねぇ、私も主上付きの近衛だけど、肝心の王の居場所がわからないんだからね。君同様暇なんだ」
絳「暇つぶしならどっかほかへ行けっ」
君のそばにいるほどいい暇つぶしはないんだが、とは楸瑛の内心の呟き。
楸「____ひと月か」
絳「ひと月以上だっ!この俺がなんっっにもしてないんだぞ!!」
楸「まあまあ、君の上司殿が休暇をくださったんだと思えば」
絳「あの人がそんなタマか!嫌がらせに決まってるっ」
あれほどイヤだと言ったのに、彼の上司は穏やかな笑顔であっさりと言ったのだ。
____絳攸?この私が決めたことなんだ。嫌だなんて言えると思っているのか?
絳「『何事も経験だ、しっかりやってきたまえ』……ってそもそもあの昏君に会うことすらできんのに何が経験だーーーーーーーっ!!」
楸「吏部尚書にも、面と向かってそう言えたら良かったのにねぇ」
楸瑛の言葉に、絳攸はぐっとつまった。
____そう、絳攸は自分の上司にはとことん弱かった。
外面と違って何とも性格の悪い上司であったが、モロモロの事情もあって絳攸は彼に対してもはや雛鳥のすり込み状態のようになっていた。
いざというとき絶対負けるのだ。
ゆえに絳攸は今回も敗北し、上司の気まぐれで霄太師に貸し出されることになったのである。
その結果が、この有様だ。
楸「まあまあ、霄太師もちゃんと対策たてたみたいじゃないか」
絳「____王に嫁を与えることがか!」
猫なら全身の毛を逆立てているだろう剣幕に、楸瑛はやれやれと溜息をついた。
楸「君の女性嫌いは相も変わらず根深いねぇ」
楸「私と張るその恵まれた容貌、有効活用しないんならぜひ取り替えてくれって男は山ほどいるだろうに、もったいない」
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フローラ(プロフ) - かなとさん、ご指摘ありがどうございます! (2019年2月27日 18時) (レス) id: 36855b5a89 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい (2019年2月27日 18時) (レス) id: 32a3956d03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フローラ | 作成日時:2019年2月27日 17時