番外編:ぼくの主さんについて ページ26
あるじさんはとっても可愛くて、いつも一番にボク達のことを考えてくれる大好きな人なんだ〜♪。
ボクが初めてこの本丸に顕現した時も
「あ、新しい子がきた…ﾔｯﾀｰ!!」
って、泣いて喜んで小躍りしながらほかの仲間たちの所へ報告しに行ってたんだっけ。
あんなに喜んでもらえるなんて思わなくて『初めまして』の挨拶を忘れちゃったなー。
そこからこの本丸が他所と違って刀が
先に来てた薬研も「これで片手で数えられない人数になったのか…感慨深いな。」なんてことを言ってたっけ。
ボクが来るまでに１ヶ月ちょっと期間が空いてたようでその少し前に鯰尾兄さんが来てぶりだったからこんなにお祭り騒ぎをしてるみたい＿＿
しばらく時間が経ってここにも慣れてきた頃、庭であるじさんが他の子達と遊んでいる姿を見ていてふと既視感を覚える感覚があった。
桜が舞い散る大きな庭でボクや他の兄弟と、”知らない誰か”が…
「どうした？随分と顔色が悪ぃみたいだか…何かあったか？」
胸の辺りで手を握りしめて丸まっている姿を見かけた薬研が声をかけてくれたみたいだった。
「あるじさんと兄弟たちが遊んでる姿を見ていて、なんだか…知らない記憶…？みたいなものが頭浮かんできて……」
「…成程。多分、そいつはストレスから来る心身性の疲労みたいなもんじゃないか？」
横に腰かけ薬研が続けて喋る。
「出陣もしすぎたら俺たち刀剣たちも疲れるんだ。なれない場所で生活を始めるんだからな…ましてや”人の身”なんで依代を持って人のように生活をするんだ。慣れない事だらけで色々とキてるんだな、おそらく」
「そおいうものなのかな…？」
「俺っちも顕現してからしばらくは箸の持ち方なんかに苦戦して必死に特訓なんかもしたりして寝不足で大変だったからな」
笑いながらそう言うと、おもむろに立ち上がりボクの頭をぽんぽんと優しく叩くと続けてこう言った。
「あんまり考え過ぎても埒が明かなぜ。俺っち達はこれからここで生活していくんだからな。…っと、大将達がこっちに来てって手招きしてる事だし、ちょっくら鬼ごっこでもしようじゃねぇか！」
そう言い終わるとボクの腕を掴んであるじさん達がいる場所へと駆けて行った。
燭台切の夕飯の声が聞こえるまで遊んでいた。
―――――――――ｷﾘﾄﾘ―――――――――
久しぶり＆不定期に番外編を…(字足らず)
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作者名：harumau | 作成日時：2020年12月16日 0時
