今日:20 hit、昨日:0 hit、合計:4,379 hit
小｜中｜大
早緑月 ページ28
冬空の晴れ間
見事な日本庭園には透き通った黄色の蝋梅が、甘い香りと共に咲き始めている
「お父さんの具合はどう？」
「だいぶ調子が戻ってきたみたいで、来月には職場復帰できそうです。」
「良かった。結婚式は大丈夫そうだね。」
結婚式の打ち合わせついでに食事をしていかないか、とめずらしく君から誘われて
ホテル内にあるイタリアンレストランに入った
「高価な物ではありませんが。」
そう言いながら、ダークグレーに金の箔押しの箱を差し出す
箱を開けると矢羽のクリップが付いたペンが入っていて、手に取るとイニシャルが彫られていた
「この間、無くしてしまったとおっしゃっていたので。」
「そんなこと、言ってた？」
「はい。」
確かに、何気なく話したかもしれない
「誕生日、ですよね。」
「覚えてたの？」
「人の誕生日を覚えるのは、得意なんです。」
いつか俺が言った言葉を真似る君に
「ありがとう、大切に使うよ。」と笑いながら答えた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 10人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 作品のジャンル：恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雪乃 | 作成日時：2019年11月27日 16時
