春待ち桜 (ページ13)

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愛逢月ページ13

日に日に暑さが増してきて、半袖で過ごすのがもう当たり前になっている

「有楽町まで出てこれる？」

彼と会う約束はしていたけど、前日になって急に待ち合わせ場所変更の連絡を受けた

少し遅れそう、と言う彼を
駅のすぐ近くにあったコーヒーショップで待つことにした

カフェラテを注文し受け取ると、ちょうど空いていた窓側の席に座る

店内はあまり混んでおらず、少し冷ましてからラテに口を付け、腕時計で時間を確認する

彼も、いくつかあるらしい時計の中からこれを選んで来るだろうか？

何となく考えながら、彼にメールを送った

半分ほど飲むと、店内に入ってきた彼が私の姿を見つけ

ごめん、と謝り
ちょっと、時間がないんだ、と少し焦った様子で私を急かした

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駅のすぐそばにある複合施設に入りエレベーターに乗り込む

ドアが開くと、そこはプラネタリウムのエントランスホールだった

「席はどこでもいい？」

はい、と頷く

「じゃあ、ペアシートで。」

そう言ってチケットを受け取り奥に進むと大きな扉があり、指定された席に彼が座る

「どうしたの？」

座らずにいる私に

「星が好きなのかと思って。」

違った？と困ったような顔をするから

いえ、好きですと座りながら言った