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『…私、帰りますけど。いいですか』
「Aさん」
『はい、なんでしょうジミンさん』
「僕たちのことはユンギヒョンから聞いた?」
『この眠ってる人の名前とユンギさんの知り合いってことだけ…聞きました。
テヒョンさんからは傷の内容というかバイオレンスな状況で怪我してきたという情報だけ聞きました』
「僕たちが何者かは気にならないの?」
『患者さんのことを根掘り葉掘り聞くのは違うなって思ってるんでそこまで気にならないです。
ただ、いつもこんな風に大きい怪我を負ってるのかと思うと人として心配になりますかね』
「さすがユンギヒョンが選んだ唯一の助手だね」
「いいだろ、こいつ冷めてて」
「うん、すっごく冷めてる」
『なんですか、貶されてます?私』
「いや、この場合は褒めてますよ。Aさん
もう少し時間もらっていいですか?」
身支度をし始めた私に椅子をすすめて、座ってと優しい笑みを浮かべるジミンさん。
なんかこの笑顔、怖い感じあるな…
大人しく座るとゆっくりと彼らのことを教えてくれた。
この街には誰にも知られないように動く裏の組織がある。
組織内での抗争、反乱分子との抗争、外部組織との抗争が繰り広げられている。
自分の地域を守るため、身を挺して真も追っているらしいけど…
現実味なさすぎて正直聞き流してるだけな部分もあるけどテヒョンさんの傷跡を
見たらやや信憑性あって、嫌な気分。
テヒョンさんはこの地域を担当している裏組織の親玉の息子らしい。
『え!?息子?…っていうことは』
「そう、次期親分。若様ってやつだね」
『うわぁ…どおりであんなに傷があるんだ』
「え?昨日の傷以外も見たの?」
『あ、はい…背中拭いてくれって言われまして』
「ヒョンがこんなどこのアバズレか分からない女に背中預けたの!?
なにしたんだよお前!口説いたわけ!?」
『人聞き悪いこと言わないでもらえます!?
大きい声出したら起きちゃうでしょ!』
ジョングクさんは相当私を警戒しているようでずっと睨まれてる。
勘弁してよ〜ただの看護師と患者だし、私には恋愛ごっこなんて
やってる時間も労力もないし
気づけば退勤予定時間から1時間過ぎてた
やばい、早く家に帰らなくちゃ
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作者名:りー | 作成日時:2023年10月24日 11時