１４【ＪＭ】 ページ14
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とりあえず家を特定しておくに越したことはない。
部下にショートメールを送り、
仮眠室へと消えていったユンギヒョンを見送り、
テヒョンのベッドへと腰を下ろす。
「本当は起きてるんだろ。下手くそ。」
「…寝てた、寝てた」
「まぁお前にしたら長いこと意識飛ばしてた方じゃね？」
「ん〜、Aちゃんといるとなんかね。和むっていうか」
「あんま肩入れすんなよ」
「肩入れって、看護師さんじゃん」
「お前はそれ以上想ってそうだから先に釘刺してんの」
「怖いな〜ジミンってば。ピリピリしないの！」
「大体、俺を守って怪我するなんて…どうかしてる」
「なに言ってんの。
ジミンのこと守ることに意味なんていらないだろ？
それにあの時は俺が前に出る意味があった。
おかげでジョングク達がパワー発揮できたじゃん？」
「はぁ…無謀すぎるだろ」
そう。
テヒョンはこの世界で生きていくには優しすぎる。
できれば他人を傷つけたくないと殺しはしたくないと。
でもそれじゃ生き抜けない。
常日頃、命を狙われているテヒョンに逃げ道なんてない。
そのくせに誰よりも身体を張って前で戦うから、
俺たちは魅了され、
命尽きるまでお前の傍で燃え尽きたいと思うんだよ。
だからこそ、ジョングクが彼女を警戒するのも分かる。
俺たちの、俺の王だ。
誰にも奪わせない。
テヒョンを傷つけることを何人たりとも許してはいけない。
ま、物理的には傷ついてるんだけどね
「なんだよ、その憐れみを込めた目は！」
「はぁ…ほんと頼むから長生きしてよ」
「こっちのセリフですぅ」
「あのさ、ジミン」
「なに？」
「もし、彼女がなにか困ってたら俺の代わりに助けてやってほしい」
「…なんで急に」
「彼女は俺の恩人なんだよ」
そう言って笑ったテヒョンは久しぶりに見た顔をしていた。
どこか懐かしい、子どもの頃にしていた笑顔だった。
・
続く
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作者名：りー | 作成日時：2023年10月24日 11時
