バレー部の俺と、特進科の彼女【宮侑】

#7 宮野side ページ8

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『俺のセットで打てへんやつはただのポンコツやってツムが言うんやけど宮野さんはどう思う？』

「えっ。侑くんってそんなこと言う人やったん？」



治から衝撃的な言葉を聞いた。



今までの社交的で紳士な侑くんはどっかに行ってしまった。



『Aも騙されたらアカンで』

「あかん。騙されとったわ。」



“やっぱり私人の心読めへんわー。根っからの理系やし。”と続けた私に、治の電話口でクスリと笑う声が聞こえた。



『Aに向ける目だけは違うけどな。』



関西弁の独特な訛りも入りながら、そう告げた治の声色は、少しだけ寂しそうやった。



「ホンマ？それはいいこと聞いたわー」

『なんでツムなん？』

「へっ？」



聞き返すと、治は慌てた様に早口でこう言う。



『や。なんでもないわ。急に驚かす様なこと言ってスマン。』

「…おん」



絶対何でもなくないやろ。と言いたい気持ちを抑えて電話を切る。



「なんなんやろ。」



侑くんの赤い頬。



治の寂しげな声。



「双子揃って今だけようわからんなぁ」



ﾋﾟﾝｺﾝ!とLimeが届いた音がした。

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