バレー部の俺と、特進科の彼女【宮侑】

#特別編 ドリームマッチ ページ40

.



飛雄くんから作戦を伝えられた黒尾さんはニッと笑ってみせる。



「ツッキーもやるねぇ…」



苦笑いを浮かべた黒尾さんがキュッとコースを踏みしめる。



「相手は及川さんです。そう簡単に作戦は上手く行きません。」



飛雄くんは俺らに背を向けたまま話す。



「だからこそ、倒しがいがあるんですよ。」



今ゲームメイクで対戦すんのは俺と及川。



飛雄くんがそんなに倒したい相手やったら…



「俺今からWSやる。」



仕方ないパターン除いて俺がやったる。



俺が後輩のこと考えるなんて滅多に無いから驚いとけ。



「飛雄くんが全力で倒したい相手やろ？」



飛雄くんは少し目線を外すと俺の目をちゃんと見てくる。




「俺のトスで、及川さんに勝ちたい。」

「飛雄くんならそう言うと思ってた」



俺は笑うと飛雄くんの肩を叩く。



「これはドリームマッチや。夢叶えてなんぼやろ」



飛雄くんが頷く。



「ありがとうございます。俺の、ワガママ聞いていただいて。」

「気にせんでえーよ。ただOCEANの時は俺がセッターやりたい。」



倒したい敵を、正々堂々と倒さんでドリームちゃうやろ。



「んじゃま、STAR勝つぞ」



花巻さんの掛け声にみんなが答えるようにコートを踏みしめた。



「俺も個人的に及川を倒したい。」

「マッキー俺に恨みでもあるの？！」

#特別編 ドリームマッチ→←#特別編 ドリームマッチ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す