バレー部の俺と、特進科の彼女【宮侑】

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〔今年の春高、優勝は稲荷崎高校です！〕



目の前には黒のユニフォームを纏っとる烏野のメンバー。



去年の春高は烏野(あっち)がセカンド・ユニフォームやったのに、今年は稲荷崎(うち)がセカンド・ユニフォームを身に纏った。



大学を推薦で決めて、12月から正式にバレー部のマネージャーになったAの目には涙が浮かんでいる。



「おめでとう」

「おん。おおきに」



俺らのことを超効率的に支えてくれ、推薦で決まったからと正式な入部を決意してくれたAにも感謝や。



「ホンマに、おめでとう」



目に涙の浮かんどるAの姿はどうしようもなく綺麗やった。



「宮さん。」

「なんやー飛雄くん。」

「…大学の春リーグ、覚悟しといてください。」



この前は同じ赤と白のユニフォーム着てツーセ組んでたんに、向けられる目ェは敵意しかあらんかった。



「上等。」



そんくらいの負けん気あらんやつにユースは任せられへんからなぁ。



フッフと軽く笑ってエンドラインに整列した。



高校の３年間はこれでまく引き。



次の舞台へと俺らは進む。



「銀もいつまで泣いてんの。早う切り替えていかんとテレビに泣き顔映んで。」



下に一本線が入った重さは計り知れへんかった。



自分なのに全然自分やないみたいで。



「…次は大学やなぁ」



また１つ、笑みが零れた。

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