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55. ページ10

伊沢side



「はーい…こちら伊沢…」

『伊沢さん、隣にAさんいます?』



川上が切羽詰まった声でそう尋ねてきた。



「…え…居ない」



頭が真っ白になる。

寝起きとか、そういうのは関係なく。



「え、Aどこ?」

『落ち着いてください』

「…っはぁ…」



川上の冷静な一言に、深呼吸をひとつした。



『…Aさんが、死ぬかもしれないです』

「っ」



何となく想像は出来ていたのに。

ああくそ、なんで寝たんだよ。



『後悔は後にしてください。とにかく伊沢さんはAさんを探して。今すぐに俺達も向かいますから』

「ねぇ川上、聞きたいことがあるんだけど」

『…何ですか?』



川上は走っているのか、少し上がった息でそう聞いてきた。



「俺、間違っていたかなぁ…」



滲む視界に素直に従いつつも、認めたくなくて上を向いた。



けれどそれは、重力に従って落ちてくる。



『…伊沢さんが正しいって判断したら正しいんじゃないですか?』



誰もいないホテルの部屋。

俺は一人、その涙を拭った。



「…やっぱお前には敵わねぇわ」



思わず呟くと、彼が電話の向こう側で笑ったのがわかった。



『じゃあ、Aさんも譲ってください』

「それは絶対に許さない」



“それでこそ伊沢さんですよ”

そう言った彼は、プツリと電話を切った。



「…どこいったかなあいつ…」



目的地が自宅ではないことは容易に想像ができる。

そもそもあいつ自宅の記憶ないし。



フロントクラークに聞けば何かわかるかもしれないと、俺は支度を始めた。

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虹希(プロフ) - sekainoowarilovさん» 期待以上のストーリーに仕上げることができていたでしょうか。それなら本当にうれしいです。話のまとまり出会ったり、収束が付いていないのではないかと不安だったので…。これからも虹希を応援していただけると嬉しいです。 (2020年1月6日 17時) (レス) id: 637c3be836 (このIDを非表示/違反報告)
sekainoowarilov(プロフ) - リクエストありがとうございます!!期待してた以上に素敵な作品でほんとうに、素敵です(語彙力) (2020年1月6日 17時) (レス) id: 8cc800abef (このIDを非表示/違反報告)
虹希(プロフ) - 京北わかさん» ご期待に添えていたら幸いです。これからも虹希を応援していただけると嬉しいです! (2020年1月6日 13時) (レス) id: 6f6e5985a0 (このIDを非表示/違反報告)
京北わか(プロフ) - リクエスト書いていただきありがとうございます!とっても良かったです! (2020年1月6日 9時) (レス) id: 4e915e623c (このIDを非表示/違反報告)
sekainoowarilov(プロフ) - 虹希さん» 虹希さんのかわかみかっぷるなども拝見していてほんとうに毎日ニヤニヤしているのでこちらこそありがとうございます!! (2020年1月6日 8時) (レス) id: 8cc800abef (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:虹希 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年12月27日 21時

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