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福良side
「はいっ、どうもQuizKnock編集長の伊沢です!」
「ライターの篠でーす」
伊沢がAにスマホのカメラを向けている。
「今日はね、はい、ついに、篠が!歩いてます!!」
「よっ!!」
俺と須貝さんでそんな伊沢を挟むように立っていて、こうちゃんと山本はAをサンドイッチするように立っていた。
川上も遅れてくるって言ってくれていたし、やっぱりAって愛されてるよな。
先ほどの“よっ!!”は須貝さんで、今でもほほえましそうに見ている。
「ちょいちょい篠の動画日記で様子は送ってはいたけどね」
「みなさんの応援コメント、篠の胸にちゃんと刺さっていますよ!ありがとうございます!!」
Aがお礼を言うと、俺を含めたみんなが拍手する。
「やっと片松葉も取れましたもんね」
山本が安心したようにそういうと、Aはにっこりと微笑みながら頷く。
「かとってはしゃぎすぎちゃだめだから_」
伊沢がそう言って制止したけど、彼女はそれを無視してこうちゃんと山本と公園を走り回る。
「…言わんこっちゃない」
言葉こそ呆れているけど、その顔と声色は笑っている。
「伊沢も行ってきなよ。三人じゃ心配なんじゃない?」
「え、いいの?」
「ここからやめるよう叫んでも聞こえないと思うよ」
須貝さんの提案にのった伊沢の背中を後押ししてやると、彼はカメラを俺に預けて三人の輪の中に入っていく。
「この光景は普通というか、こどもなんだよなぁ」
普段は俺らの編集長として、その場の空気や流れを変えてくれるけど、中身はまだ25歳なんだよね。
「明日からだっけ、Aと伊沢の旅は」
「うん。記憶探しのたびね」
彼女はその記憶を取り戻したとき、どう反応するのだろうか。
両親に幻滅して、またあの闇のような笑みを浮かべるのだろうか。
…いや、今回は伊沢も一緒だし、そんなことさせないか。
そう思いながら四人の背中を見つめた。
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虹希(プロフ) - sekainoowarilovさん» 期待以上のストーリーに仕上げることができていたでしょうか。それなら本当にうれしいです。話のまとまり出会ったり、収束が付いていないのではないかと不安だったので…。これからも虹希を応援していただけると嬉しいです。 (2020年1月6日 17時) (レス) id: 637c3be836 (このIDを非表示/違反報告)
sekainoowarilov(プロフ) - リクエストありがとうございます!!期待してた以上に素敵な作品でほんとうに、素敵です(語彙力) (2020年1月6日 17時) (レス) id: 8cc800abef (このIDを非表示/違反報告)
虹希(プロフ) - 京北わかさん» ご期待に添えていたら幸いです。これからも虹希を応援していただけると嬉しいです! (2020年1月6日 13時) (レス) id: 6f6e5985a0 (このIDを非表示/違反報告)
京北わか(プロフ) - リクエスト書いていただきありがとうございます!とっても良かったです! (2020年1月6日 9時) (レス) id: 4e915e623c (このIDを非表示/違反報告)
sekainoowarilov(プロフ) - 虹希さん» 虹希さんのかわかみかっぷるなども拝見していてほんとうに毎日ニヤニヤしているのでこちらこそありがとうございます!! (2020年1月6日 8時) (レス) id: 8cc800abef (このIDを非表示/違反報告)
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