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川上side
「おはようございまーす…」
Aが撮影部屋の扉を開いておずおずと顔を出す。
「おはよう」
「拓朗おはよー」
いつもとは違う黒のサルエルパンツ姿に違和感を抱きながらも、聞いても『気分だよ』と答えられる気がして俺は目の前にあったコーヒーに手をつけた。
「Aいつもと違うじゃん。どうしたの？」
俺が聞かないのを見計らってか、伊沢さんがそう尋ねる。
「寝坊しちゃったんですよ〜。1番上にあった服掴んできちゃいました！」
自分の仕事が溜まっているノートパソコンを見ながらあいつの反応を見ると、無理をしていることは一目瞭然だった。
少し火照っている顔に、無理に口角を上げる姿。
「…伊沢さん、福良さん。俺とA帰ってもいいですか？」
「えっ、いいけど…どうしたの？」
福良さんが作業していた手を一旦止めて、俺の方を振り返る。
「こいつ、熱あるんで」
Aが驚いたようにこちらを振り返ったのがわかった。
「…やっぱり？」
伊沢さんも引っかかっていたらしく、疑問が確信に変わったように俺を見てきた。
「…でも、今日の企画は私の持ち込みだし…」
「来週やるから。Aは大人しく帰って寝なさい」
そう言った伊沢さんの目は、CEOの目をしていた。
「…分かりました」
Aにもそれはわかったのか、諦めたように踵を返す。
「じゃあ俺、帰ってもいいですか？」
「うん、大丈夫だよ。見張っといて」
「あいつは動物か何かすか」
笑いながらそう言うと、伊沢さんも俺に微笑みかける。
「伊沢も大変だねー、無理するライターばっかり抱えちゃって」
「…それ、福良さんもだからね？」
俺が帰る準備をする横で伊沢さんと福良さんのそんな会話に思わずツッコミを入れてしまった。
「いや伊沢さんもでしょ」
“いや俺無理しねぇし”
笑いながら否定する彼を見ながら俺はオフィスから出ていく。
出てすぐのところで、Aがうずくまっているのが見えた。
「ほら、やっぱり無理してたんやん」
「うぅー…たくろう…」
余程辛いのか、目に涙を浮かべた彼女は俺に抱きついてくる。
…こんなんになってるAオフィスに置いときたくないし俺の判断は正解だったな。
そんなことを思いながら、そのままAを背負ってAの家に向かうのだった。
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虹希(プロフ) - 莉華さん» コメント並びにご愛読ありがとうございます。申し訳ないことですが、こちらの作品の後継者の方はありがたいことに既に決定しております。お気持ち、大変嬉しいのですが…。そのお気持ちを、ありがたく受け取っております。これからもこのかわかみかっぷるをお願いします (2020年2月16日 13時) (
レス) id: 6f6e5985a0 (このIDを非表示/違反報告)
莉華(プロフ) - 初コメントです。いつも読ませて貰っています。もし、前にいなければですが、私が力になれるなら、この作品を継がせて頂きたいと思っています！最後になりましたが、合格、本当におめでとうございます！ (2020年2月16日 7時) (レス) id: 907e72034e (このIDを非表示/違反報告)
虹希(プロフ) - しろまるさん» ありがとうございます。こんな作者の作品を見てくださり、本当にありがとうございます。残り僅かではありますが、よろしくお願いします (2020年1月24日 7時) (レス) id: 6f6e5985a0 (このIDを非表示/違反報告)
しろまる(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます！大学合格おめでとうございます！いつも作品を拝見させていただきありがとうございます！残り短い期間ですが楽しみにしてます！これからも応援してます！ (2020年1月23日 22時) (レス) id: ded50f1d5d (このIDを非表示/違反報告)
虹希(プロフ) - 京北わかさん» ありがとうございます。残り期間はわずかとなりますがその期間もこれまでと変わらない応援をよろしくお願いします。 (2020年1月16日 17時) (レス) id: 637c3be836 (このIDを非表示/違反報告)
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