【第2部】AnotherStory (ページ23)

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君の言葉が胸を打つ＿kwkm ページ23

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「おーい、川上！！」

「びっくりしたぁ…なんかあったん？」

隣の家には、俺のいわゆる幼馴染がおる。

住宅街ということもあり、窓を開けて手を伸ばせば届きそうな距離に家があるのだ。

昔は、窓をつたってAの家に行ったり、モノの貸し借りをしたりしていて、幾度となく親から怒られてきた。

「いや、久しぶりやな、思って」

「二人とも通う学校違うしな」

灘に通う俺と、洛南に通う彼女。

でも、幼馴染である彼女の存在は俺にとってめちゃくちゃ大きかった。

「…東大？」

「ん。文Ⅲ」

俺の机が見えたのか、彼女にそう問われ、頷くと彼女はおかしそうに笑った。

「私、文Ⅱやで」

打ち合わせも何もしていないのに、かぶった志望校。

受験生の宿命として、うかつに迎えられへんクリスマスやと思っていたのに。

「川上と同じなんは嬉しいなぁ」

そう言ってほほ笑むAに、思わず息をのんだ。

「クリスマスプレゼントやん、これ」

素直に言える彼女が純粋に羨ましかった。

男子校で、女子に対する態度を忘れてしまった俺には、少しこれが拷問にさえ思ってしまう。

ましてや、小学生のころから想っている相手なんやから。

「お互い、赤門で」

「…赤門あるの本郷キャンパスやけど」

それすらも、頭から抜けるくらい、Aの言葉にドキドキしてしまうのだ。