【第2部】AnotherStory (ページ9)

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新メンバーに恋焦がれ＿kwmr ページ9

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「伊沢さん！これやっておきました！！」

「さっすがAちゃん！仕事が速い！」

「それほどでもー」

冗談っぽく笑った彼女を次は福良が呼び止める。

「あー、私ならここはこうやって編集しますね！」

「あっ、なるほど！！ありがとうスッキリした！」

「お力になれたのなら！」

もちろんそれは彼女の技術やセンスが光っているのもあるけれど、1番は彼女の人柄だろう。

こうちゃんが“中学の後輩なんですけど、専門学校卒業後東大に３年次編入したらしいです”と連れてきたのが彼女だった。

専門学校に通っていただけあり、専門的知識や技術は俺や福良よりも長けていたし、東大に３年次編入出来てしまうほどの頭脳も併せ持っている。

動画編集者として、彼女を見過ごすわけにはいかなかった。

伊沢や福良も同じ考えだったらしく、彼らと一緒に企んだのは記憶に新しい。

「あれ、河村さん来てたんですか！」

「はい」

“声掛けてくださればよかったのに…”と小さくむくれる彼女に笑みがこぼれる。

「すみません、伊沢や福良と話し込んでいたので」

“俺らのせいなの？！”と反論するようにこちらを見てくる伊沢と福良を心の中で睨みつける。

「私は河村さんとお話したいんですよ！！」

彼女の発言に、今度は俺が狼狽える番だった。

「…あ、ありがとうございます」

“何せ河村さんは神様ですしね！”と笑顔を振りまく彼女に息をつく。

神ってキャラはあまり好きじゃなかったけど、こういうキャラもありかなって思ってしまう自分が単純すぎて

思わず下を向いてしまった。