Another Story

恋と言う名の新たな病＿mzkm ページ44

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「Aはどう思う？」

「へっ？！何が？！」



新しく送られてきたカルテをコンピューターに写していたから、話を半分聞いていなかった。



「聞いてなかったの？」

「ごめん、カルテ写してた」



“相変わらずAは真面目なんだから”と笑った友人に愛想笑いをして、“それで？”と続けた。



「水上先生、イケメンだよね」

「ああ、水上先生か」



ここ東京大学医学部附属病院のアイドル的な存在である彼は、学生時代にはテレビ番組にも出ていて、もはや扱いが芸能人だ。



そんな彼だけど、もう東大は卒業していて、現在はもう立派な医師の一人だ。



「いたいた、Aさん、今大丈夫？」

「噂をすればってやつだ。やっぱりAと水上先生ってお似合いだよね」



突然現れた白衣姿の彼に私は驚きながらも“大丈夫です”と続けた。



「よかった。俺急遽この患者さん相手にすることになったんだけど、カルテもらっても？」

「わかりました！今からUSBに落としておきますね」

「ありがとう。迷惑かけます」



小さく頭を下げた水上先生は、再び呼ばれてそっちにかけていく。



「あ、水上先生！」



そんな背中を、思わず呼び止めてしまった。



「ん？何？」



優しい先生は、一回止まってこちらを振り返る。



「…すみません、なんでもないです。カルテ、落としておきます」



そう言えば、彼はニコリと笑った。



「うん、よろしくね」



そんな彼に、胸が少しだけ高鳴る。



私の知らない“恋”という名の新たな病だと知るまであと僅か。

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