Another Story

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「…いねーじゃん」



ご飯時でもなく、フードコートはガラガラ。



なのにも関わらず、精神年齢2歳児の姿は見えなかった。



「…」



携帯の呼び出し音がコールする。



『…拓朗？』

「お前本当はどこにいんの？」

『…っ、助けて！！』

「は？」




電話の向こうから、震えたあいつの声が聞こえた。



『ちょっ、お前本当は携帯持ってんじゃん…拓郎！！あのね！！今暗い場所！！多分倉庫！！どこかはわかんないけど車乗ってないから…きゃあ！！辞めてよ！！』



知らない男の声が聞こえて、さっきとは違った意味で怒りを覚えた。



「車に乗ってないから、多分場所はここのショッピングモール内。」



暗い場所で一般人が入れる場所



…………



「っ、A！！」



Aの姿なんて見えないのに、思いっきり名前を叫んだ。



あいつなら、俺の声に絶対に反応する。



「くそっ…」



らしくない言葉をつぶやきながら、俺はショッピングモール内を駆け抜けた。



無事でいてよ、なんてらしくないことを考えながら。



「A！！」

「意外と早ぇじゃん。さすが東大生。」

「…で、お前らは何が目的？」

「別に」

「…は？」



殴りつけそうになるのを堪え、俺はAの肩を抱いた。



「大丈夫？」

「うん」



“ありがとう”なんて笑うAを優しく抱きしめる。



「もう大丈夫だから」

「うん、ありがとう」



とんとん、と優しく背中を叩くと、安心したのか眠ってしまった。



Aが見てないことをいいことに男達をボコボコにしたのはまた別の話。

井上咲様リク ハニトラはお手のもの＿kwkm→←井上咲様リク 精神年齢2歳＿kwkm

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