Another Story

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とは言うものの、お腹は痛いし、行く宛もない私はオフィスから近い自宅へと足を向けていた。



ここで偶然伊沢さん会って、東大の大学院農学部と農工大 大学院の合同研究で一緒になったことを思い出してくれて、それでQuizKnockに入ることになった。



半ば私のゴリ押しだったなぁ、なんて思わず苦笑いを浮かべる。



鍵を開けて、いつもの様に扉を開けた。



「Aっ！！」



福良さんに腕を引っ張られ、後ろから抱きしめられたこと以外は、いつも通りだったんだ。



「福良さん？」

「ごめん、僕なんもわかってなくて」

「福良さんは何も悪くない…」

「そうじゃない」



福良さんはそっと私の身体を離すと、私の方へと向き直る。



「好きな人の異変くらい、感じ取らなきゃ男失格でしょ」



真っ直ぐな瞳に見られて、私も思わず真っ直ぐ見つめ返した。



「それって、告白ですか？」

「……言わせないでよ」



福良さんは困ったように笑うと、私の頭を優しく撫でて、私の顔をのぞき込む。



「好きだよ」



日が沈みかけたこの日、私は思わず笑ってしまった。



「…私もって言ったら、どうします？」



恥ずかしくて、私も、とは言えなくて、そう誤魔化した。



彼もそれを察したのか、“ふはっ”と声を出して笑う。



すると、私の唇に自分のそれを落とした。



「こうするよ」

「…福良さんの変態」



“好きな人の前じゃ男なんてみんなそんなもんだよ”と開き直った彼に、私も思わず笑ってしまった。

井上咲様リク 偏食な君に送るのは＿kwkm→←クイラC@w様リク いつも通りじゃない日常＿fkr

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