Another Story (ページ11)

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好きって言ってよ＿fkr ページ11

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「福良さんこれなんだけどさー」

「あ、これは───────」

時刻はPM7:00

ここは僕の部屋で、ここにいるのは僕だけじゃなかった。

「ふんふん、じゃあこうすれば課題解除になるかな」

「あっ、それは───────」

言いかけてやめた。

僕も同じことをしたけど、その失敗があったからこそちゃんと答えに行き着いたわけだし。

「…ん？これダメじゃない？」

ほら、やっぱり。

「福良さんの嘘つき！」

「それはAの為を思って言わなかったの！」

“ホントかなー”と疑り深い目を向けてくる彼女に思わず苦笑い。

そもそも“大学の課題研究のヒントを頂戴”なんて言ってくる東工大生いないと思うんだけど。

そう思ったけど、彼女は1日2時間程度の勉強でここまで上り詰めたんだった。

効率性が大好きな彼女にとってこの課題研究は地獄みたいなもんだよな、なんて思いながらまたパソコン相手に唸る彼女の背中を見る。

「ほら、紅茶。アールグレイ好きだったよね？」

「わっ、やった！大好き！！」

今の“大好き”は僕宛じゃなくて、アールグレイに対して、というのは理解してるつもりだ。

なのにも関わらず、顔が熱くなった気がして、思わずAのもとから離れる。

僕に対して“好き”って言ってよ

そう願うのは、ダメなのだろうか。