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拓司の起業と、東大の大学院中退と同時に、私はこのQuizKnockという職場に就職した。
大学卒業後、特にやりたいこともなかったから勉強しようかなと言う理由で今度は東大の文科一類を受験。
めでたく大学一年生になると決まった矢先にこんな大きな事故を経験。
入学手続き済んでいなかったから、実質東大を蹴ったということになる。
…法律の勉強するつもりだったのにな。
勿論就活なんてしたことはなく、途方に暮れていた所を拓司に拾ってもらったのだ。
そんなことを振り返りつつ、私は相変わらず低い自分の目線の高さに笑ってしまう。
小さい時はこれが当たり前だったんだな、なんて思いも馳せてしまった。
「Aさん、大丈夫ですか？」
「あれ、今日は大学大丈夫なの？」
赤い髪の彼に聞けば、彼は
「なんとかなります」
事実、彼にとっては悪戯なのかもしれない。
講義をサボって
拓朗にとってみたら、ほんの出来心からきた悪戯なのだろう。
「久しぶりにクイズやりません？」
ペーパークイズを差し出してきた彼に、今度は私が笑ってしまった。
「今日大学に行くつもりなかったでしょ」
“そんなことないですよ”
はぐらかすようにそう言った彼を見て、私は思わずクスリと笑ってしまった。
「…伊沢さん今日講演会って聞いて、Aさん一人でオフィスやなって思った瞬間、いても立ってもいられんかったから」
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