１６話目。宮原side ページ17
そんなこんなで終わった土日練習。
私達は今、ある課題に直面していた。
「…何この量…」
私の目下に散らばるは、様々な大学のパンフレット及び優遇措置の内容が書かれた紙。
マネージャーは影なのに、光である選手たちが推してくれたから、私の目の前には色々広がっていた。
「凄い…。筑葉からも来てる…」
筑葉と言えば、有名な頭脳派国立大学。
体育学部スポーツ学科に来ないかという誘い…
「…私には勿体無いなぁ」
軽くため息をついて、それを鞄にぶちこむ。
「あっ、ちょ置いていくなぁー！」
駐輪場にいると言っていたチームメイトだけど、LINEで“先にボーリング行ってる”と一方的につげられ、結局ボッチで向かうことになりそうだ。
「アイツらレディファーストって言葉知らないのかよ」
階段を２つ飛ばしで降りていく。
「あ、やっと来た。」
昇降口で待っていたのは私の彼氏。
「先に行ってるって言ってたのに」
「それはアイツらだけ。俺はお前置いて行くなんか出来ねぇよ」
夕日で照らされた太一はかっこよくて。
思わず見惚れてしまった。
「そんなことよりやけに早かったな。あの量だともっとかかるんじゃねーの」
「…廊下走りました。」
「…ん？」
「待たせちゃ悪いと思って！ね！」
アハハ！と笑って誤魔化して、私は駐輪場に向かう。
太一は電車通学だし、自転車はなかったはず。
駅から学校までならスクールバスだって運行してるし…
「…あぁ！」
スクールバス運行してるけどバレー部が終わる時間にはもう最終出てるからバレー部は駅から自転車だった…
「…逃げられないじゃん。」
「Aー？」
「ごめん！今行く！」
…まぁでも許してくれるでしょ！現行犯じゃないし！
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