什参 ページ14
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「支配人の、竹内一馬さん」
私と降谷さんと本人以外が、驚いた様に彼を見つめる。
「支配人が?なんで?」
松本さんが私に聞いてくる。
「恐らく動機は梅宮さんによる、中野さんへのストーカー行為です。」
私が言うと、高木刑事は驚いたように私を見る。
「なぜ、竹内さんが?」
「中野さんと支配人は恋人同士だからですよ」
“え?!”と周りから声があがった。
「何故そう断言できるんですか?」
支配人が眉根を寄せながら私に聞いてくる。
「簡単です。貴方の右耳のピアスと彼女の左耳のピアスがお揃いだからですよ」
「ピアスくらい被っても不思議じゃないと思うんだけど?」
「…なら、貴方のネックレスを見せていただいても?」
私が聞くと、彼女は固まった。
彼女の首にはチェーンがかかっているし、多分それはペアリングだ。
名前が彫ってあるんだろう。
「俺が殺ったという証拠はあるんですか?」
「…手、怪我されてますね。」
降谷さんが彼の右手を指差す。
「被害者の指先に皮膚片がありました。DNA照合を行えば、おのずと結果は出てきます。」
その言葉に彼は息を浅くし、膝をつけた。
「…あいつが…いや、あいつとお前が、悪いんだ!!」
そう彼が言い、中野さんへと向かっていく。
「…女性への手荒な真似はよろしくないかと。」
降谷さんが腕を抑える。
「あいつはお前の身体を金で買ったと言った。そして…」
彼はポケットからスマホを取り出すと、中野さんの、恐らく事後の写真を見せてきた。
「…揺すってきたんだ。金を寄越さなければ、この店で働くウエイトレスは、簡単に金で買えるとネットで拡散する、と。…だから!!」
そう言って、降谷さんの腕を振り払おうとする彼だが、簡単には行かず、結局手錠をはめられた。
「…私は、何も悪くないわよ。」
中野莟はそう言い、店に入っていこうとする。
「…莟、あなたにも、罪はある」
捜査一課の刑事たちが帰ったのを見送ってから、松本瑠璃花が彼女の前にたつ。
「…何、瑠璃花。」
「先日起きた空港爆破テロについて、聞きたいことがあるの。」
「は?あんた、どうしたの?」
「…警視庁公安部公安総務課の茂木雛です。…中野莟さん、貴女を逮捕しに来ました。」
警察手帳を見せられた中野莟は、狼狽えた様に彼女を見つめた。
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冠 - Victoriaって勝利の女神と言う解釈であっていますか? (2019年12月24日 16時) (レス) id: ebdf59309e (このIDを非表示/違反報告)
虹希(プロフ) - ののいろ系女子さん» ありがとうございます!これからもよろしくお願いします (2019年1月20日 13時) (レス) id: 14232fb1c5 (このIDを非表示/違反報告)
ののいろ系女子 - 凄く面白いです!最初は降谷さんの姉だと思ってたんですが見てみるとちがくて、でもこれはこれで良くて、最高です!続き楽しみにしてます! (2019年1月18日 22時) (レス) id: 8fb3eabd58 (このIDを非表示/違反報告)
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