壱 ページ2
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「初めまして!!一ノ瀬Aです。本日からここに配属されました。」
そう言ってぺこりと頭を下げた
───────あの初々しい時を思い出す。
今の私にそんな初々しさは残っていない。
残したかったけど。
公安お得意の違法捜査で幾度となく返り血を浴びてきたし、何より現在私は犯罪組織に潜入している身である。
…弟と一緒に。
「なんでアンタと潜入なんかしなきゃいけないの…」
「それは俺のセリフ。」
こういう組織にはもってこいの両親環境を持ち、これが将来の日本にとって最善の選択だ。
とはいえやはり私たちも警察官。
犯罪に手を染めるのに少しの嫌悪感を感じない訳では無い。
「やっほー【ゼロ】と【ヴァン】。今暇かしら?」
目の前に映るのは、青い髪がサラサラに伸びて、スラリとした美しい…青年。
「…ユヌか。何かあったのかと思ったわ。」
「それがさー、今回の取引相手のことなんだけどね!」
言わずとも察して頂けたと思うが、ユヌはオネェだ。…絶対。
でも私とか弟が組織として潜入する際には、バッチリメイクを決めてくれる。そんな逸材である。
「私行けなくなってしまったの!ごめんなさい、2人で言ってもらってもいいかしら?」
パチン、とウインクを決めるユヌだが、様々な点で問題が生じる。
「…確か取引相手って…」
「いつものところよ。バーボンって人が来るらしいわ。」
「バーボン…」
私が復唱すると、彼は“よろしくね!”とかけていく。
「姉さん、確かバーボンって…」
「多分間違いない。」
“バーボン”なら、私たちにとって好都合だ。
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冠 - Victoriaって勝利の女神と言う解釈であっていますか? (2019年12月24日 16時) (レス) id: ebdf59309e (このIDを非表示/違反報告)
虹希(プロフ) - ののいろ系女子さん» ありがとうございます!これからもよろしくお願いします (2019年1月20日 13時) (レス) id: 14232fb1c5 (このIDを非表示/違反報告)
ののいろ系女子 - 凄く面白いです!最初は降谷さんの姉だと思ってたんですが見てみるとちがくて、でもこれはこれで良くて、最高です!続き楽しみにしてます! (2019年1月18日 22時) (レス) id: 8fb3eabd58 (このIDを非表示/違反報告)
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