全日本ユース専属マネージャー【ハイキュー】

#２９ ページ30

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ふわりと打たれたサーブは西谷くんの正面で、綺麗に上げられる。



ネット越しにみる、噂の超速攻。



嗚呼、やっぱりかっこいい。



食いつくかな、とも思ったけど、彼らは食いつかなかった。



「なるほどな。」



私は思わず笑ってしまう。



「いいブロックじゃん。」



あの攻撃にブロック三枚は賞賛する。



白鳥沢の時の彼のように、いいブロックはスパイカーよりもセッターにストレスを与える。



「キレちゃダメだよ、影山くん。」



うっすらと笑みが零れた。



だけど…



「挑発上等。」

「キレないの。」



あらゆる攻撃に対して、常に複数の壁(・・・・)をつけることが目的のパンチシフト。



「…これ、越える。」



ブロックの指先に当てられたボール。



私は直ぐに駆け出した。



​─────── 多分、ここ。



パァンッ！



「やべ。」



少しだけセッターの位置からズレたボール。



「ごめん二口くん…」

「いや謝られても腹立つだけなんで。」



二口くんがオーバーを構える。



「…それに、うちは大型セッターッスよ」

「いいじやん。伊達工。」


笑みが零れた私は、ブロックフォローに駆け寄る。



かつて見た、凄いと思えるレシーブ。



でもそれは、スーパーレシーブばかりじゃなかった。



「…影山くんはどう出るかな。」



ユース候補として、彼はどのような行動に陥るのか



“コート上の王様”はどう君臨するのか。



「…少しだけ楽しみかも。」



誰にもバレないようにそっと舌なめずりをした。

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