全日本ユース専属マネージャー【ハイキュー】

#１９ ページ20

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「いいねー。どこでもできるね。」

「影山レフトもいいですね」



違う。
影山くんがレフトで輝いて見えるのは​──────



「上手なセッターのトスは打つ人が上手くなったと錯覚させます。だから影山くんや宮くんのトスで打っていた彼らが自分のチームに戻った時に、拍子抜けしないといいんですけどね」



私が告げると、コーチや監督は苦笑いを浮かべる。



「…天才、か」



中学時代に“天才リベロ コート上の監督”と讃えられた私。



でも​───────



「天才こそ、不完全なんじゃないですかね」



監督が同意するように首を縦に振る。



「だから、面白い。」



監督が薄く笑う。



そう、だからこそ面白い。



「さて…最後の仕事だ。」



整列したみんなの前に私は向かった。



「今までお疲れ様でした」



監督は“ここと学校を別と考えて欲しくない”と言っていく。



私からは特にない。



…1人を除いてね。



宮くんや古森くんと会話を交わしていく影山くん。



これからが私のやりたいこと。



「影山くん！」

「Aさん…？」



怪訝そうに見た影山くんに私は笑顔でこう言う。



「人の意見ばかりに気を取られていたら、影山くんの本領発揮出来ないよ。」



影山くんが軽く目を見開く。



「じゃあ、またね！」



“うす”という小さな返事を背中に私は体育館に戻る。



マネージャーの最後の仕事、やらなきゃね。

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