ヒーロー名 ページ7
「俺のヒーロー名、これです」
ミドナイ先生は俺のボードを見た
「シャドウヒーロー、ラフ...？」
「はい、大切な人がつけてくれた名前です」
ラフっていうのは笑うという意味であの時目良さんとホークスが俺のヒーロー像を聞いてあれやこれや言いながら考えてくれた名前だった
「人を笑顔にできるヒーローでありたいので」
「ならまずは自分が笑顔にならなきゃね」
そう言って先生は俺の口角を上げた
「大切な人っていうのが気になるけどまた今度にしてあげるわ」
えまって？聞くの？
親バカカンストおじさんと3徹の社畜おじさんが考えましたとか言えねぇよ
俺は席に戻ってどう誤魔化すかを悶々と考えていた
非常口メガネのボードには
『天哉』の2文字
下の名前は知らなかったけど先生の反応からして名前なのだろう
詳しいことは知らなかったが非常口の兄であるヒーロー『インゲニウム』がヒーロー殺しの被害に遭ったとか。それで体育祭も途中で抜けていた気がする
家庭の事情に首突っ込むのはよくねぇよな...
実際俺もそれは結構嫌なことだった
「緑谷くーん？できたー？」
「あ、はい！」
緑谷は勢いよく立ち上がって教卓に向かった
緑谷のボードを見たクラスメイトは一気にざわついた
「緑谷！？」
「いいのか、それで...？」
「一生呼ばれ続けるかもしんねんだぜ？」
上からふどう、上鳴、切島である
「この呼び名、今まで好きじゃなかった。ある人に意味を変えられて、僕には結構な衝撃で嬉しかったんだ。
これが、僕のヒーロー名です！」
緑谷は『デク』と今にも消えそうな字でかかれたボードを握って力強くそう言った
爆豪は結局決まらず話は職場体験の説明へと移った
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作者名：春音 | 作成日時：2023年12月8日 21時
