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同じだけ ページ30
無理を言って退院した俺は再び福岡の事務所に戻っていた
しかし仕事はさせてもらえず与えられた自室と訓練部屋で個性を伸ばしているだけだった
俺はベッドにダイブして飯田のことを思い出していた
もしホークスが、インゲニウムと同じことになったらきっと俺も飯田のようになるだろう
怒りで周りなんか見えない
飯田はきっとインゲニウムが、兄のことが好きなんだろう
尊敬していて、大好きだから
同じだけ辛かったんだと思う
なのに俺は気にかけられないどころか名前すら覚えていない始末
「あー、クソ...」
俺はベッドに突っ伏した
『腕大丈夫か？』
途中まで打ったメッセージを消して携帯を放り投げた
今更心配してますアピールかよ
報いたならもっと方法はあるはずだから
強くなろう
それでもっと、守れるようにならなきゃいけない
「人の名前も覚えよ...」
俺はひっそりとそう決意した
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作者名：春音 | 作成日時：2023年12月8日 21時
