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「頑張れ！！頑張れヒーロー！！」
俺はその言葉で我に返った
そうだ、俺が頑張らなきゃ後ろの人たちはどうなる
「笑顔にするんだろ」
俺は小さな声でつぶやいた
「諦めた方が身のためだぜ？」
そう言ってニヤニヤしている2人を睨んだ
「土下座して詫びる練習でもしとけカス」
男がキレて走り始める直前、俺は影に"潜った"
体育祭で使った影の海
あれはいわば一瞬で地面を掘るようなもので俺自身もその中を移動することができる
「消えた…！？」
「人が消えるかよバーカ」
俺は後ろの影から飛び出た
俺の式神は一体しか出しておけない
でも今はそんな悠長なことを言っている場合ではなかった
「"
俺は全身の力を振り絞って脱兎を召喚した
「んだよこれぇ！！」
相手の視界が塞がっているうちに俺は正面に回り込み、渾身の
二連回し蹴り
「がっ…！」
「ゔっ！」
モロに入ったみたいで失神した2人をとりあえず脱兎で囲んでおく
「ラフ！！」
そこにホークスが飛んできた
「あ、ホークス」
ホークスは伸びている2人と俺の血が溢れ出ている横腹を交互に見て、というか俺の横腹を3度見くらいした
「血出てんじゃん！！」
「うん」
「うんじゃなか！！」
焦りすぎて博多弁が出ていることすら忘れてるのかホークスは俺の体をあちこち点検し始めた
「いや他に怪我はないから。それより後ろの人たちの安否確認」
ホークスの静止を振り切って俺が後ろに歩いて行くと1人の男の子がこちらに駆け寄ってきた
「お兄ちゃん！」
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作者名：春音 | 作成日時：2023年12月8日 21時
