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「泣くなよ、バカだなぁ。」
「智くんに、言われたく、ない…。」
「ひど。怒んなよ、もう。」
いつの間にか翔くんは泣き止んでいて、俺も気付けば彼の手を握っていた。
「智くん。」
「うん？」
「薬、やめていい…？」
「良いよ、しんどかったろ？やめよう。辛そうな翔くん見たくない。」
「ごめ、」
「謝んなって。」
君の言葉を遮って、また抱きしめる。
こんなに細かったっけ。最近ご飯ちゃんと食べられてないもんね、しょうがないか。
本当はやめてほしくなかった。
少しの可能性も無くなってしまうのだから。
でも君の辛そうな顔はもっと見たくなかった。
そんな顔させてしまう薬ならやめて。
ちゃんと心から笑えるようになる薬なら続けて。
だからもう良いよ、頑張らなくて。
「先生に、言いに行こっか。」
「待って、お母さんにメールするから。」
「うん、分かった。」
メールを打ち、返ってきた返信を見て微笑む。
良いことが返ってきたんだね、良かった良かった。
しばらくして先生を呼ぶ。
薬を止めるという意思を伝えると、先生は頭を下げた。
本当は胸ぐらを掴んで怒鳴ってやりたかった。
「翔くんの担当医だろ！？なんとかして治してよ！」って。
でも言えなかった。君が悪くないって言ったから。
君がそう言うなら先生は何も悪くない。
そう思うと怒りも自然と消えていた。
先生が部屋を出て、君の手を握った。
前まではぎゅっと握り返してきてくれたけど、それもできなくなっていた。
涙が出そうになるのを堪えて話をする。
「翔くん、何話す？」
「パン屋さんの話は？」
「今日定休日だから…。」
「あ、そっか。」
ごめんね、今日は土産話がないんだよ。
でも話がなくても良いと思った。
君の温もりが感じられるなら。
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永遠-towa-(プロフ) - サさん» コメントありがとうございます！感動していただけたようで良かったです。こちらこそ読んでいただきありがとうございました！これからも頑張ります(o^^o) (2016年1月9日 13時) (
レス) id: 5f2ae027a5 (このIDを非表示/違反報告)
サ - 感動しました。素敵な作品をありがとうございます （；＿；） (2016年1月9日 1時) (レス) id: 60f39c76f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：永遠-towa- | 作者ホームページ：
作成日時：2015年12月6日 14時
