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「智くん、車椅子押して。」
「ん。おっけー。」
病室に入った途端に『外に行こう！』と言い出した翔くん。なんでも、許可が降りたらしい。
病院の中庭なんて行ったことないから、正直楽しみなところもある。が、
「さみぃよ翔くん、大丈夫なの？」
「大丈夫大丈夫！」
中に3枚も4枚も着込んでいるのに寒い。俺こんな寒がりだったっけ？
「寒がりだねー。」
「うるさいなー。」
翔くんは平気そう。というか、寒いんだろうけど、外に出るのが久々だから、まだ中に入りたくないんだろう。でもさすがに心配だから、首にちょっと触れてみる。
「翔くん、首すっごい冷たいよ。そろそろ中入ろ。」
「そうだね、寒くなってきた。」
よいしょって力をかけたら、車椅子が後ろに傾く。翔くんはヘタレだから、それだけで『うわっ』って悲鳴をあげる。
あー、好きだなー。翔くんのそういうところ。
俺、翔くんだったらもっと笑わせてあげれると思うよ。自意識過剰かもしれないけど。
「翔くん。」
「なぁに？」
「好きだよ。」
「そっかぁ…え？」
必死にこっちの顔を見ようとする。マフラー着けてるからちゃんと見えないだろうけど。マフラー暑いよ。あぁ、顔が熱いのか。
「ちょ、ちょっと、止まってよ智くん。」
「えー、ヤダよ。恥ずかしいもん。」
「だってさっきの…」
「うん、告白だねー。」
「恥ずかしいんじゃないの！？」
うん、恥ずかしいよ？恥ずかしいけどさ、翔くん鈍感だから気付かないと思ったんだもん。
ふふっ、翔くんも顔真っ赤じゃん。
「翔くん。」
「…ん？」
「返事は？」
聞いた途端に俯く彼。あれ？これもしかして脈アリじゃね？
「智くん。」
「うん。」
「好きだよ。」
今 な ん て 言 っ た ？
「え、は、マジで！？やったー…！」
まだ俯いている彼のところに回り込んで、顔の前に座る。
「翔くん！」
「なぁに？」
「ありがとう！」
「こちらこそ、ありがとう。」
「帰ろ！」
「そうだね。」
ああ、幸せだ。明日もしかしたら交通事故にあうんじゃないかってぐらい幸せだ。
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永遠-towa-(プロフ) - サさん» コメントありがとうございます！感動していただけたようで良かったです。こちらこそ読んでいただきありがとうございました！これからも頑張ります(o^^o) (2016年1月9日 13時) (
レス) id: 5f2ae027a5 (このIDを非表示/違反報告)
サ - 感動しました。素敵な作品をありがとうございます （；＿；） (2016年1月9日 1時) (レス) id: 60f39c76f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：永遠-towa- | 作者ホームページ：
作成日時：2015年12月6日 14時
