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『お母さんが救急車で運ばれた！！』
電話があって仕事を抜け出し、病院の廊下を走る。
昨日まで元気だったじゃん、何があったんだよ、他の人の迷惑なんて関係ない。看護師さんの注意も耳に入らない。母の安否だけが心配だった。
言われた部屋の扉を勢い良く開ける。
が、目に飛び込んできたのは元気そうにお菓子を食べている母。
「大丈夫なの！？」
「大丈夫よ。ただのギックリ腰！」
「はぁ？ギックリ腰！？なんだよそれ…。」
救急車で運ばれたって聞いたから急いで来たのに、なんて人騒がせな母なのだろう。
「ちょっと、あんたね、走るとき音立てすぎ。隣の病室の人、きっと怒ってるわよ。」
「誰のためにここまで…！」
「謝ってきなさい。」
「…はい。」
なんて人なんだ！と心の中に怒りをぶつける。
とりあえず病室から出て、目指したのは隣の病室。
(なんかＲＰＧみたい？？)
隣の病室の扉を開ける。…しまった。
「あ、ノック忘れちゃった。あのー…。」
「大丈夫ですよ、どうかしましたか？」
「いや、隣りに母が入院するので挨拶と…、さっき廊下走っちゃったから謝罪に…。煩かったですよね、すみません。」
「大丈夫ですよ。ふふっ、ギックリ腰…なんですよね？」
「え！聞こえてました！？うわぁ、ちょー恥ずかしい…。」
いや、本当に恥ずかしい。
だって部屋にいた人、すっごくキレイだったんだよ。男の人なんだろうけど。
「えーと、これからちょくちょく顔合わせると思うんで…よろしくお願いします。名前は…？」
「翔です。櫻井翔。」
「櫻井さんかぁ。あ、俺大野智です。」
翔って名前もキレイじゃん。羨ましいわ。
それじゃって、部屋を出る。扉のところに書いてあったから、思わず
「あ、扉のとこに書いてた。」って言ってしまった。きっと聞かれてたし、笑われただろう。
母さん、こんなこと言うのあれだけどさ、ギックリ腰になってくれて、隣の部屋に謝りに行けって言ってくれてありがとう。
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永遠-towa-(プロフ) - サさん» コメントありがとうございます！感動していただけたようで良かったです。こちらこそ読んでいただきありがとうございました！これからも頑張ります(o^^o) (2016年1月9日 13時) (
レス) id: 5f2ae027a5 (このIDを非表示/違反報告)
サ - 感動しました。素敵な作品をありがとうございます （；＿；） (2016年1月9日 1時) (レス) id: 60f39c76f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：永遠-towa- | 作者ホームページ：
作成日時：2015年12月6日 14時
