我が家の兄弟妄想 (ページ4)

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「…ということがあってだな」
「あんた羨ましいわ」

教室に着き、話すことは朝のこと。莉乃には双子の兄しかいないので、私のように毎日萌えることができないのだ。

「ねー、1日だけでいいからどっちか貸してよ」
「だから、泊まりに来ればいいじゃん」
「ダメ。雅紀ルートを見たいの」
「何それ超気になる」

いや、私の本命は和也×お兄ちゃんだが！雅紀ルートも気になるってだけで、決して浮気はしていない。

「そういえばさ」
「うん」
「今日からテスト2週間前だよね」

その言葉に教室の時間が止まった。…ような気がした。

さっきまでイチャイチャ、否、ふざけあっていた男子がピタッと動きを止め、ガールズトークで黄色い声を出していた女子は口を塞いだ。

そして私は頭の中で絶望への道をまっしぐらに駆けていた。

テスト週間と言えば、夜中まで自分の部屋に引きこもり、勉強をしなければいけない週間である。

その2週間、私は何を糧に生きていけばいい？
部屋に引きこもると兄弟のイチャイチャが見れないじゃないか。

「おーい、みんな大丈夫か」

その一言で我に返ったクラス一同は焦ったようにふざけ合いと黄色い声の合戦を開始した。

「てか、莉乃余裕そうだね。自信あんの？」
「今回は余裕だよ。翔くんに教えてもらうし」

その言葉にクラスの女子の時間が止まった。…ような気がした。

妹が言うのもなんだが、兄はモテる。顔は良いのに不器用なところが女子の心を擽るんだとか。

私は女子より男子とイチャイチャしていてほしいが。

そんな兄に勉強を教えてもらうのは、女子の憧れというべきもの。それを堂々と言ってしまう私と莉乃はおそらく女子の目の敵。

ですが女子の皆さん。安心してください。

「雅紀とイチャイチャさせたいし」
「いーや、和也とだね」

恋愛感情なんてありませんよ。