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「はい。」
「…入るぞ。」
何となく聞き覚えがあるような声で少しだけドキッとする。
病室に入ってきた「櫻井さん」は、やっぱり見覚えがなくて
少しだけがっかりした。
「…こ、こんばんは。」
私の顔を見て呆然と立ったままの「櫻井さん」に何て言っていいかわからなくて
とりあえず挨拶をした。
「怪我、大丈夫なのか？」
「あ、はい。少し縫ったみたいですけど、脳には異常なかったみたいです。」
「…そうか。」
「……はい。」
沈黙。
えっと、看護師さんが何度も断っても面会させて欲しいっていった人だよね？
何で黙ってんだろ…
私、知らない人だしなぁ。
「記憶…ないって本当か？」
どうしようか迷っていたら、急に口を開いた。
「はい。申し訳ないんですけど、あなたのことも…」
「…………。」
また黙ってしまった。
まさか怒っちゃった？
「…櫻井翔。」
「へ？」
「俺の名前。」
「あ、はい。看護師さんから聞いてます。」
「思い出せないか。」
「すみません…。」
大野さんみたいにまたがっかりさせちゃった…
「謝らなくていい。
お前は俺の家で働いていたんだ。体調が回復次第復帰してほしい。」
「え、でも記憶が…」
「記憶がなくても働けるだろ？それに今までと同じ生活をした方が早く記憶が戻るかもしれない。」
「そうですけど…」
「悪いがお前の代わりを探すつもりはない。」
「え？」
「治療費と入院費も払うから給料の心配はしなくていい。１日でも早く退院して飯を作れ。
あと俺の連絡先と住所。」
一方的に話されたあげく、住所と連絡先が書かれた紙を渡されて
「お大事に」とだけ言い残し
櫻井さんは病室から出ていってしまった。
私は閉まってしまったドアを呆然と見るしかなかった。
自分の家のことしてほしいからって
記憶がなくても働けって酷くない？！
まぁ、お金の面では凄くありがたいけど…
自分勝手な人…
そう感じたけど、
私の記憶を取り戻そうとしないことが
少しだけ気持ちを楽にさせた。
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みーにゃ(プロフ) - ゆうこさん» 嬉しいコメントありがとうございます(^^)やる気がでます！ (2016年4月22日 19時) (
レス) id: dcc3cbdf77 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうこ(プロフ) - はじめまして。読み始めたら止まらなくてなりました！更新楽しみにお待ちしています(*n´ω`n*) (2016年4月21日 8時) (レス) id: d02bba5452 (このIDを非表示/違反報告)
みーにゃ(プロフ) - ゆかりさん» コメントありがとうございます♪櫻井さん素敵ですよね(^^)喜んでもらえるように更新頑張ります！ (2016年4月18日 23時) (レス) id: dcc3cbdf77 (このIDを非表示/違反報告)
みーにゃ(プロフ) - らんまるさん» コメントありがとうございます♪主人公ちゃんの出身地は特に決めてませんが九州地方を意識した方言にしてます(^^)櫻井さんのデレ顔書くの私も楽しみです♪笑 (2016年4月18日 23時) (レス) id: dcc3cbdf77 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - しようちやん大好き (2016年4月18日 20時) (レス) id: 59f29188ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みーにゃ
| 作成日時：2016年4月16日 20時
