あなたのオアシス～2～ (ページ21)

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別れページ21

リビングに３人…。

沈黙を破ったのは大野さんだった。

「…翔くんさ、何でAが嫌がることすんの？」

「嫌がってたかな？むしろ喜んでたんじゃないの？」

櫻井さんは少し笑いながら私を見た。

「喜んでなんかいません！」

「そ？この前はすんなり受け入れてたのに、今日は抵抗するからだよ。」

「そ、それは…自分の気持ちに気づいたから…。自分に正直に生きようって決めたから、お付き合いできないって伝えたんです。」

「だから、俺は別れないって言ってんじゃん。」

「そんな…私はもう好きじゃない人とお付き合いできません。」

「…翔くん、Aの気持ちわかってやってよ。」

「大野さんは好きな人と付き合えたのに、いきなり別れ告げられて、はいそうですかって別れられんの？」

「…そりゃ悔しいけど、自分以外の人に気持ちがあるなら、諦めるしかないんじゃねぇの？」

「簡単に諦めるほどの気持ちってこと？」

「簡単じゃねーよ…簡単じゃねぇーけど、好きなやつが幸せになるなら、自分が辛くても諦める。」

「格好いいこと言って…」

「とにかく、相手の幸せを望めないなら、人を好きになる資格はないと思う。」

その言葉を言った大野さんの目は真剣で、力強かった。

「………はぁ。大野さんに説教くらっちゃったー！」

櫻井さんは頭を抱えながら座っていたソファにもたれ掛かった。

「…わかったよ。A、別れよう。だけど、俺はまだAが好きだから…それだけは頭のどこかで覚えといて。」

「…はい。本当にすみませんでした。」

「ん。俺、この状況辛すぎるから、お二人さん帰ってもらっていい？」

櫻井さんな苦笑いしながら、しっしっ！と言わんばかりに片手を振る。

私と大野さんは一緒にマンションを後にした。