あなたのオアシス～2～ (ページ12)

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深い関係ページ12

櫻井さんはお酒に酔っていたのかわからないけど、キスした流れで少し強引に私を求めてきた。

抵抗すると、また冷たい目を向けられる

それか、また悲しそうな目をされる

そう思うと、抵抗できないまま、彼を受け入れてしまった。

その時の櫻井さんの目は優しくて、愛しそうに私を見つめ、

「A…、A…っ！好きだ…。」

何度も私の名前を呼んで抱き締めた。

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朝、重たい目を開けると
先に起きていた櫻井さんと目が合った。

「おはよう。」

「お、おはようございます。」

「…体、大丈夫？」

「え？」

「いや…、昨日のさ…。無理させちゃったんじゃないかって…」

[昨日の]の一言で、昨夜の出来事を鮮明に思い出して赤面してしまった。

「ははは。ごめん。思い出しちゃった？俺も歯止めが効かなくて何回もしちゃったから、体しんどいんじゃないかなって思ってさ。」

そうだ。終わったと思ったのにすぐにまた求められたんだ。

何回目かわからないうちに、途中で私の意識がなくなって…そのまま寝ちゃったんだ。

「ご、ごめんなさい。途中で…」

「気にしないで。久しぶりだって言ってたのに、無理させちゃったのは俺だし。…反省してる。」

そうだった。二人が深く繋がる前に
男女の関係をもつことが随分久しぶりだって伝えたんだ。

痛くて出来なかったらガッカリさせてしまいそうで…

そしたら、櫻井さんは凄く嬉しそうな顔をして
「じゃぁ、痛くないようにするね。」
って言って、時間をかけて私の体をほぐしてくれた。

「…久しぶりって言ってたけど、いつぶりなの？」

「前の彼とが最後なので…8年とか…」

「それまで彼氏いなかったの？」

「はい。イタリアにいた頃は仕事ばかりでしたから。」

「元彼ってどんな人？」

「え…と、同じ調理師の専門学校の先輩です。」

「へぇ。今は何してる人なの？」

「え？たぶんシェフしてると思いますけど、どこで働いてるかはわかりません。」

「ふ～ん。じゃぁ連絡とったりとかはしてないんだ？」

「は、はい。８年も前の話ですから…」

「そうだよね。いろいろ聞いちゃってごめんね。」

「い、いえ。」

櫻井さんって嫉妬深い人なのかな…

その時の私は、その程度くらいにしか感じていなかった。