潮風のあなた【BTS】【JM】 (ページ8)

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書洞迷路市場に入ると、懐かしい匂いで昔の記憶が蘇ってきた。

『先輩こっちです！』

丸山「お、おう！」

私が足早に進むと、呆気にとられたような顔をして先輩も追いかけてきた。

…

『(こんにちは〜)』

「(いらっしゃ〜い。)」

いい匂いがするお店に入ると、笑顔が素敵な50歳代くらいの女性が厨房から出てきた。

店内を見渡すと壁にお品書きが貼ってある。

『(わぁ〜どれにしよう。迷っちゃうなぁ。)』

丸山「ん？なんて言った？」

『あ、ごめんなさい。つい韓国語が…』

丸山「ふふ…。いや、いいんだけど。」

『な、なんで笑うんですか？』

丸山「いつものAじゃないみたいだからさ。なんて言うか、愛嬌があるって言うの？韓国的に。」

先輩はニヤっと笑って私を見る。

『そ、そんな…愛嬌なんて全然ないです！』

私がそっぽを向きながらそう言うと先輩は
「ふっ」っと笑って「何頼もうか。」と話を変えてくれた。

…

「あ〜美味かったなー。キンパにケランマンドゥ、なんて言ってもキムチが凄く美味かった！」

お店を出て先輩が満足そうにお腹を撫でながら歩く。

『満足していただいたようで良かったです。』

先輩の反応につい嬉しくなって私まで笑顔になる。

「お腹いっぱいだから、とりあえず今日泊まる予定のホテルに行こうか。」

『そうですね。』

先輩が急遽予約してくれたホテルへ向かった。