潮風のあなた【BTS】【JM】 (ページ48)

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翌日、レンタカーを借りるよう頼まれた私は久しぶりの運転に少し緊張しながらジミンが泊まっているホテルに向かった。

『おっきいホテル…』

ホテルの駐車場に入るとキーマンが車に来てしまう可能性があるので、近くのコインパーキングに停める。

温泉…旅館…泊まりだもんね…緊張しないわけない。
『ふぅ〜〜…』

ハンドルを両手で掴み、おでこをつけて下を向いてドキドキのため息を吐く。

コンコン！

窓ガラスをノックする音が聞こえて顔を上げると、助手席の窓ガラスからこっちを覗き込むニコニコのジミンが居た。

ドアの鍵を開けると、すぐに助手席のドアを開けた。

JM「(A〜♪おはよう♪)」

ご機嫌のジミンに思わず笑顔になる。

『(おはよ！荷物、後ろに乗せる？)』

JM「(うん！)」

ジミンのバッグと私のバッグが後部座席に並んでるのを見るだけで、なんだか幸せな気持ちになる。

JM「(運転任せちゃってごめんね。)」

『(大丈夫だよ。それより、どこに向かえばいいの？)』

JM「(えっとね…ここなんだけど…)」

ジミンはそう言ってカバンから紙を取り出し、旅館のホームページのコピーを見せてきた。

『(ここって…すごく高いって有名なところじゃない？)』

ジミンが見せてくれた紙に載っていたのは高級旅館で予約が取りづらいと有名な老舗旅館だった。

JM「(あ、知ってた？なんか事務所のスタッフのコネで予約できたんだ♪ラッキーだよね♪)」

ニコニコ笑うジミンに対し、私は不安になった。

JM「(？どうした？ここ嫌だった？)」

不安そうに私の顔を覗き込むジミン。

『(あ、えっと、嫌ではないんだけど…。私に払えるかなって…)』

JM「(払う？)」

『(…恥ずかしい話なんだけど、お金が…。)』

JM「(…あーーー！お金？！Aは払わなくていいよ！俺が出すに決まってるじゃん！何？そんなこと心配してたの？ホント可愛いなぁ。)」

私の心配事を知ったジミンは大きな声リアクションで笑いながら私の髪をくしゃくしゃっと撫でた。

『(こ、こんな高級な旅館だって思ってなくて…ありがとう。)』

JM「(誘ったのは俺なんだから。来てくれただけでも嬉しいのに。それに運転もお願いしちゃってるし…)」

『(ふふ…安全運転で快適なドライブにいたします！)』

JM「(あはは！楽しみだなぁ♪では、しゅっぱーつ！！)」

満面の笑みのジミンの掛け声で楽しいドライブが始まった。