潮風のあなた【BTS】【JM】 (ページ45)

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ジミンが日本にくる事を知らせてくれてから数日が経っていた。

テレビから歌番組の特番のCMが流れる。
「BTS、待望のシングル発売を記念して来日！今回の特番でパフォーマンスを披露！」
ナレーターの声でジミン達のグループ名が聞こえ、ドキッとする。

特番は生放送だから、１週間後に出演するってことだよね…。

いつ頃日本に来るのかな…

忙しい彼に私から連絡するのは申し訳なくて、鳴らないスマホを握りしめて待つことしかできないでいた。

………………………

特番が放送される日。
相変わらず鳴らないスマホ…
歌番組だけじゃなくて、他にも仕事が入ってるんだろう。
私には想像もできないくらい忙しい日々を送っているに違いない。

そう思っているうちに、会えなくても仕方ないと
ほぼ諦めに近い気持ちになっていた。

『テレビで見れるだけでもいいじゃない…』

特番は祝日のお昼から夜の22時まで。
昼間からテレビの前に座り、いつ登場するのかもわからないジミンを待つ。

普段からあまり音楽番組を見る方ではないから、知らないアイドルたちが楽しそうに歌っているのをただぼーっと眺めているだけで時間は過ぎていった。

『…ダメだ。寝ちゃいそう。』

夕方になっても出演する気配がなくて、待ち疲れて眠くなってきた。

番組終わっても連絡が来るとは限らないし、お酒飲んじゃおっかな…

せっかくの休日。明日は土曜日で仕事も休みだし。
そう思って缶ビールをグラスに注いだ。

夕飯時になり、小腹がすいたからヤンニョムチキンとナムルを作ってテーブルに並べる。

チキンを頬ばり、ビールで流し込んだ時
テレビから【BTSの皆さんです！】と聞こえて
慌てて音量を上げた。

「(3.2.1.)僕たち、防弾少年団です！よろしくお願いします。」

リーダーの合図から、7人全員で日本語で挨拶をしている。

『いま、本当に日本に居るんだ…』

待っている間は実感がなかったけど、日本のテレビに出ているジミンを見て、やっと本当だったんだと実感した。