碧の宝石 (ページ41)

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お互いの料理を少しシェアしながら
食の好みの話をして楽しく過ごした。

帰りは船長に送ってもらわず、電車で帰ることになっていた。

始発駅だったからか、田舎だからなのかわからないけど電車内は空いていて
ちらほらと高校生が座ってる程度だった。

「高校の時、電車通でした？」

「いや、俺は歩きかチャリ。地元の学校だったから。大学の時は電車使ってたけど。」

「あ…大学は電車だったんですね。」

大学ってフレーズに、カズを思い出してしまった。

「…うん。佐伯さんは？」

「私はバスでした。バスって学生少なくて、電車通の子達がわいわい帰ってるの見て羨ましかった思い出があります。」

「バスかぁ、確かにバス通の友達は少なかったかもなぁ。」

「少女漫画って大体電車通ってイメージですもん。」

「んふふ。そーなの？少女漫画好き？」

アラサーにもなって少女漫画とか言っちゃってる自分が恥ずかしくなって顔が熱くなる。

「い、いいじゃないでか！女の人はいつまでも乙女なんですっ！」

笑われたことに少しムッとして言い返した。

「いや、悪いとは思ってないよ。可愛いとこあるんだなって思っただけ。」

「えっ？！」

大野さんって可愛いとかサラッといっちゃう人だったの？！

そう思って、じっと大野さんの顔を見てたら
大野さんの耳がゆっくり赤くなってきた。

え？
照れてる？
自分で言っといて？

「ちょっ…あんまり見ないで。なんか恥ずかしくなってきた。」

「あはは。可愛いのはどっちですか！」

私が笑うと
「やめてっ！」
って両手で顔を隠してそっぽ向いてしまった。

いつもボーッとしてたり無口な時が多いけど、
こんな風に照れる大野さんを見るのが嬉しかった。