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「いや〜遅くなっちゃってゴメンね！」
気まずい沈黙を破ったのは
いつもの能天気で元気な声。
「遅いっ！てゆーか、会社の人連れてくるなら先に言っときなさいよ。」
「ごめんごめん！忘れてた♪会社の先輩の大野さん。俺らの３つ上だったよね？」
「うん…。」
こいつ先輩にもこんな調子なの？
会社でうまくやっていけてるの？
タメ語で喋る雅紀を見て
一瞬こいつの将来が心配になった。
「自己紹介は軽くしてるから、とりあえず飲み物頼もうよ。」
「俺、ビール♪大野さんは？」
「じゃあ俺も。」
「よし、ビール３つな！すいませーん。」
雅紀のバカでかい声で注文したビールはすぐに運ばれてきた。
「んじゃ、３人の出会いに…カンパーイ♪」
乾杯だって先輩差し置いて勝手にしちゃうし…
ビールの泡で口ひげつけながら何がそんなに楽しいのかニコニコしちゃってさ…
本当、大学の頃のままじゃん。
雅紀を見て、自分もビールを飲もうとグラスを持ったら
目の前に座っていた大野さんと目が合った。
「……っ……。」
ん？何か言いかけた？
でもすぐに目をふせたから違ったかな？
「あ、大野さんAの目に気づいちゃった？」
「あ…うん。」
あぁ、目の事か。
「こいつの目の色変わってるでしょ？カラコンじゃないんだよ。すごくない？」
そう。私の目の色は青緑色してて、大概の人はカラコンだと思ってるみたい。
まぁ、じっと見ないと気づかないくらいだから
支障はないけど。
「…ハーフとか？」
「あ、いえ。おじいちゃんのおじいちゃんが外人らしいんですけど、なぜか私だけ目の色が変わってて…。」
「自然な青い目って憧れるよね〜。俺なんかカラコンして大批判くらった記憶があるし…」
「あれは酷かった…」
大学の頃のカラコン雅紀を思いだし、笑いそうになった時だった。
「青っつーか、碧色でしょ。」
大野さんがお店のアンケート用紙とペンで「碧」と書いた。
「青緑っぽいし。青って表現はちょっと違う。」
「………。」
「え？そーぉ？俺には青に見えるけどー。」
ビックリした。
何時間も一緒に過ごしてないのに目の色が青緑だって気づいたのはカズと大野さんだけだったから。
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作者名：みーにゃ
| 作成日時：2015年9月16日 22時
